髭人爺(ひげじんじ)です。
「なぜ今メンタルヘルスケアが必要か」ということを題名に記載していますが、実はイラだってます。
実は、この題名は20年前に、本社の人事本部で労務関連業務を担当していた際に、各部門や新任管理職に対して行った「新任管理職研修」の時と全く同じ題名です。
イラだっている理由は2つあります。
理由の1つは「なぜ20年もたっているのに(どの会社も)メンタルヘルスケアが必要な人は減っていないのか」ということです。ストレスチェック制度の導入等の政府の方針・施策も、各企業の過重労働削減活動も、劇的な効果を上げることはできていません。(詳細は厚生労働省のHP「心の耳(http://kokoro.mhlw.go.jp/)」や「みんなのメンタルヘルス(http://www.mhlw.go.jp/kokoro/index.html)」をご参照ください)
(自社を守るため管理責任を免れようとするブラック企業を除いて)政府も企業TOPもそれなりに努力は続けてきているはずです。それなのになぜ「苦しい就活を乗り越えてやっと志望会社に入社した1、2年目というような若い世代が自ら死を選ぶのを止められない」のでしょうか? 命と引き換えにするほど仕事は重要だったのか? そこまで追い込んでしまう企業とはいったい何なのか? 本当に誰も異常に気づかなかったのか? 【人事マン】の端くれとして無力感でいっぱいになります。
もう一つの理由は、「自分自身のふがいなさ」です。この20年前からメンタルヘルスケア対応を推進してきた【人事マン】である筆者自身が、パニック障害を発症してしまったという事実です。病気に対してのある程度の知識もあり、対応手順も十分に理解していたはずの自分自身が、その流れを食い止めることができず、会社を休むに至ってしまった情けなさです。
特に【人事マン】というプライドもあり、実務経験の中で何人ものメンタルヘルスケア対象者と個別に面談し、産業医のご指導のもとで対策をとってきた自負もあり、他の人よりはある程度正しい対応はできると思っていたのに、いざ自分が心と体のバランスを崩してしまって職場に迷惑をかけてしまったことに愕然としました。私のような『思いあがった【人事マン】こそ、問題の本質理解ができておらず危ない』のかもと思ってます。
このページも【人事マン】こそ「いまなぜメンタルヘルスケアが必要なのか再確認してみよう!」という趣旨で開設しました。私が実経験してきたことをできるだけ具体的に記載してみますので、是非何らかの形で皆様の会社で生かしていただければ幸いです。
(※現在2023年8月です。現在本ブログの記事の見直しを行っています。本記事を書いてから、既に5年半以上の年月が経っています。かなりメンタルヘルスケア対策も進んできているのは間違いないですが、一方で状況が好転しているかというと、ほとんど状況が変わっていないばかりか、人間関係はますます複雑化し、ネットワーク環境の進化でメンタル面での課題も変化してきております。そこへ「何でもハラスメントに結び付ける過剰な反応」「個人情報保護の名の下での無関心」といったことで、孤独感が増している対象者・声をあげられない人は格段に増えてきているように思います。少なくとも自分の周りからでよいので、一つ一つ行動・言動をプラスにしてえ行ければと思います。)