髭人爺(ひげじんじ)です。
メンタルをなめてはいけませんわ
前回は閉所恐怖症(パニック症状)に触れましたが、今回は「メニエール病」です。
なかなか聞いたことのない方が多いと思いますが、簡単に言うと、内耳の内リンパ液の不調によって、回転系のめまいや耳鳴りの症状が出る病気です。原因自体は特定できていませんが、ストレスが原因で発症するといわれています。回転系のめまいに襲われるため、立っているのも困難ですし、横になっても天井が回っているし、ずっと船酔いをしているような感じで、吐き気(実際に嘔吐もある)で食欲もなくなります。
2年以上前から首都圏への満員電車通勤で閉所恐怖症と戦っていた筆者は、自宅から電車で2駅の事業所に人事異動になり、通勤ストレスからかなり解放されて、閉所恐怖症のパニック発作もなくなり、順調に体調が回復していました。帰宅の際には時々電車に乗らず50分ほどかけて事業所から自宅まで歩くこともありました。そのころは2つの組織を兼務し、夜遅くまで忙しい日々を送っていました。初めて事業所総務関連の責任者になったこともあって仕事にも張り合いがあり、管理職としての責任もあって、本社時代よりも通勤時間が短くなった分は業務に充てていました。
その後数年経った頃発症したのが「メニエール病」でした。もともと血圧は高い方でしたし、忙しすぎて体力的にきつい時には耳鳴りがしたりしていましたが、ある朝起きると急に回転系のめまいがして起き上がれなくなったので当初は「脳梗塞?」と非常に不安になりました。妻に連れられタクシーで何とか脳神経外科病院に行きましたが、脳のCT検査の結果は「異常なし」とのことでした。その脳神経外科の医師の助言で、めまいがした時には耳鼻科に診ていただくのが良いということを初めて知りました。自宅近くの耳鼻科へ行くとすぐに「メニエール病」だという診断が出たため数週間にわたり非常に苦くてまずい薬を飲み続けることになります。この病気は大変厄介で、気持ちが悪くて睡眠も十分にとれませんし、起き上がるとフラフラしますので、会社に行くのはもちろん難しいですし、日常生活にも大いに支障をきたしました。
ストレスが原因といわれている病気ですので、その時の状況を考えてみると、2つの部門を兼務していたため同時期に上司が二人いた状態でした。それぞれ拠点事業所も違い、居室も離れていましたので、なかなかゆっくり方針のすり合わせや業務進捗相談ができず、かなりの種類の業務テーマを自己責任で判断していかなければなりませんでした。そのうち2つの部門の忙しい時期が重なってしまうこともあり、トータルの業務量が自分のキャパシティを超えてしまって身体に無理がかかったようです。無意識のうちにかなりストレスを抱えていたように思います。
今になって思えば、それぞれの上司と組織としての目標値、管理職としての目標値をきちんとすり合わせるべきでしたし、上司同士でもきちんと業務量を毎月確認、調整いただくようにお願いすべきでした。ただ自分の中に【人事マン】は“相談される側”の立場で仕事をしなければならないという変なこだわりがあり、いつも居室に最後まで残って仕事をしていて、自分自身のことを後回しにしてしまっていたように思います。結局は自分自身があかんのです。あの時、もっと部下を信頼して(育成のためにも)仕事を割り振るべきだったと今は思います。
皆さんの会社でも複数の部門を兼務している社員の方がいる場合(特に対象者が管理職の場合は無理しがちになると思いますが)には、そのそれぞれの部門での業務工数(勤務時間数)や負担について“トータル量”で把握し、本人も気づいていないような危険信号が出ているようであれば、是非上司側から声をかけ、心と身体の負担を軽減するような心遣いをしていただければと思います。
次は、「抑ウツ症状(頭痛・ふらつき)」についてです。