2)-1 人事業務とは

休みたくても休めない【人事マン】

髭人爺(ひげじんじ)です。

【人事マン】はつらいよ。

前回まで「私の発症記録」を連続して書いてきましたが、一度【人事マン】の仕事について筆者の経験談を挟みます。

30年前、私は本社で給与システムを担当していました。当時は社内に大型のホストコンピューターがあり、毎月の人事異動や入社、退職、住所変更、家族情報等で給与が変わってくるので、筆者は、人事マスターデータが正しく給与計算に反映されているかのチェック、給与明細書出力と振込銀行へのデータの持ち込み、全国各地への発送処理等を毎月メイン担当として処理していました。

ホストコンピュータは24時間フル稼働でしたし、月次の処理スケジュールは非常に複雑で、給与処理担当者の都合で簡単には変更できない仕組みでした。毎月の3分の1の勤務日はシステム操作処理がありましたので「何があっても休めない日」となりました。私が処理をしないと給与計算処理も行われず、給与明細も出力されず、会社から各銀行を通して社員個人の口座への振り込みも行われないからです。

したがってどんなに体調が悪くて高熱でも、処理予定日には出社するという覚悟でいましたし、実際に高熱を出した時でも無理してタクシーで出社した日もありました。(本当は自分が休んでも前任者の先輩が代行してくれたとは思います。そんな生活は2年間続きました) 

上記はシステムスケジュールが優先されて【人事マン】側が貼りつく業務でしたが、【人事マン】の仕事のスケジュールはそれだけではなく、“人”相手であるがゆえ相手の都合が優先され、イレギュラー対応が多い職種のひとつです。もちろん他の職種の皆様も同様に仕事の納期に追われていると思いますが、人事の仕事は個人の事情による突発的なスケジュール変更が多いということは言えるかと思います。

誰かから相談を受けて面談をする際には、最後まできちんと聞いてあげないと不満につながりますし、場合によってはメンタルや事件に関わることかもしれませんので、話を途中では切り上げにくい状況です。また内容によっては同僚の【人事マン】にさえ相談できないような内容もあり、一人で抱え込むことも多かったです。

私の同僚の【人事マン】である新卒の採用活動担当者は土日を問わず出社していましたし、キャリア採用面接担当者も社内公募面接担当者も、応募者の都合優先で日程設定が必要で、標準の就業時間後からやっと業務が開始されることに対応していました。また同じく【人事マン】の労務対応担当者は、社内でトラブルがあった時や懲戒相当案件が発生してしまった時に、急に全く異なる事業所まで外出せざるを得なくなり、場所も時刻も秘密裏に調整しなければならないこともありました。

そんな一方で、人事担当部署としては『有給休暇の取得促進』や『時間外労働の削減』等は率先して取り組まなければ、各部門との信頼関係は築けません。皆さんの会社の【人事マン】も“やることだけは多いが、勤務時間はどんどん限られる”という状況は同じではないでしょうか? 御社の【人事マン】も上記に似たような特殊処理で大変苦労していらっしゃることもあるんじゃないでしょうか?

是非【人事マン】特有のストレスの一つとして『休みたくても休めない状況』があるということをご理解ください。そして是非上位職の皆様こそ率先して有給休暇をとり、職場でも計画的に取得しやすい雰囲気を作ってあげていただきたいと切に思います。