4)ー4 気になっていたこと

メンタル対象者のご家族を味方に!

髭人爺(ひげじんじ)です。

今回は「いかにメンタル対象者のご家族を味方にするかことが大事か」です。

メンタル対象者のご家族は、もともと本人に対しての強い愛情がありますから、どうしても「本人から聞いたことが正しい情報」と信じて行動されることが多いです。まして会社に勤務している時に本人が体調を崩したら(たとえそれが全く別のプライベイトな事情が原因であっても)ご家族としては「会社で何かあったのではないか」と疑うのが当然と思います。

本ブログでも何度か記載していますが、メンタル発症された対象者への対応をする際には、ご家族のご協力は不可欠です。

家族の理解なしにメンタル対応を進めた場合、もしも万が一ご本人が自殺でもしてしまったら、ご家族の恨みは会社に向けられ、対応を間違うと訴訟問題に発展します。実際に新入社員が過労自殺されたD社のケースではマスコミで大きく取り上げられ、未だに裁判で争っているような状況であり、会社名も公開されて社会的なイメージダウンにつながっていますね) 

それほどご家族との連携が取れるかどうかは重要なポイントになります。

しかしメンタル対象者ご本人は「病気のことはご家族には知られたくない」とか「家族には会社の人を会わせたくない」という方もおられます。それを勝手に無視して直接ご家族に連絡を取ることは非常にデリケートな問題と思います。メンタル対象者本人の了解なしにご家族に会社から直接連絡を取ってよいのは、私の個人的な意見としては、『対象者本人の命に係わるリスクがあると思われる場合』『病気の関係で対象者本人とまともにコミュニケーションが取れないと判断できる場合』の2つのケースしかないと思います。それ以外のケースでメンタル対象者ご本人ときちんと話ができているうちは、まずは本人の了承をもらってからご家族に連絡をする(もしくは本人経由でご家族をお呼びする)といったステップが必要と思います。

本人は正直「会社がご家族に連絡すること」については抵抗感を示されることが多いですが、「病気を治すにはご家族のフォローが不可欠なのでぜひ会っていただきたい」といった言い方で、本人の了承を取るというのが良いと思います。(場合によっては「産業医からご家庭で留意していただきたい点が説明されます」という言い方にして人事担当は席を外すというのも良いかと思います。)

ご家族も巻き込んでの訴訟トラブル等になると、マスコミにも情報が洩れ、社名に関わる重大事に発展するとも限りません。【人事マン】としての情報対応の感度(センス)が必要になると思います。

主治医にお会いする、あるいは産業医から主治医に連絡を取るといった場合も同様に、【人事マン】としてはメンタル対象者の了解を事前に取るように努力するということが必要と思います。