髭人爺(ひげじんじ)です。
家族に自分の病気のことを言えますか?
もしも会社の業務上のストレスが原因で、自分がメンタル発症してしまった場合、自分の家族にはどう伝えるのでしょう。もちろん本人自身がメンタル発症の自覚がない場合(たとえば躁状態の時)は無理だと思いますが、「これっていわゆる“ウツ病”ではないか」と感じた時、ご家族に素直に言えるでしょうか? 自分が“ウツ病”を発症した際に、ご家族はきちんと気づいてくれるでしょうか?
ご本人に病気の知識がなく「最近、どうも身体に力も入らないし、ボーとしてしまってやる気が出ない」「朝起きることができず頭が痛い」といった場合には、「風邪かなあ?」とか「最近調子が悪いなあ」というくらいの自覚しかできないかもしれませんし、ご家族もあまり病気の知識がない時には、ただだらしなくなったようにしか見えないこともあるかもしれません。それほど発症の初期症状はなかなか発見が難しいものです。
特に日本では、『体調不調=風邪っぽい』 というように単純に判断してしまうことが多いように思います。これは「自分自身のメンタルカウンセラーをもつことが普通(もしくはステイタス)」という欧米とは違い、「精神的に参ってしまうなんていうのは情けないだけ」といった武士の時代からの“武士道”“恥”の文化が残っている日本では、せいぜい風邪ひいたくらいだろうとタカをくくることが多く、余計に発見が遅れる傾向があると思います。
これではメンタル発症が遅れてしまう可能性があり、長引くと思いの外、既に症状が悪化してしまっているということもあると思います。
私の場合は、【人事マン】という業務上、少しメンタル症状の知識がありましたし、既にこのブログでも記載した通り、運よく早めにメンタル専門の主治医にかかることができました。妻にも早々に全てを説明できていましたので、家庭内では本当にゆっくりメンタル対処ができました。会社でのストレスもすべて聞いてもらっていましたし、子供達にも「体調不調で会社を休んでいる」程度のことは言えていましたので、体調回復に向けてはかなり有難い環境にいたと思います。メンタルヘルスケアには家族の理解は何よりも力になります。
しかしながら、このような対応が難しい環境、たとえば独身者や、共働きの方、ご主人が単身赴任の方々は、なかなか自宅で会社のストレスを相談できるような状況にないと思いますし、相手がいたとしても「愚痴(ストレス)を聞いてもらえない」「会社の愚痴を聞かせたくない」といった場合には、ストレスを一人でため込むことになります。
そういったケースもあることを考慮し、少なくとも会社でのストレスは、会社内で相談しやすい環境・雰囲気をつくっていくことが、上司や先輩社員の責務だと思います。
またご家庭を持っている方は、一度ご家族と一緒に「メンタル症状」についての知識共有をし、お互いのストレスがたまらないように相談されることをお勧めします。