髭人爺(ひげじんじ)です。
【人事マン】としてメンタル対応する際の“肝”になることをまとめてみたいと思います。
私自身の失敗経験から学んだのは何よりも「謙虚であること」でした。【人事マン】は“人事の専門家”ではありますが、“医学の専門家”ではないことを認識すべきです。メンタル発症してしまうと正しい医学的な処方が必要であり、思いやりや愛情ではなかなか治らないということがあまり知られていません。【人事マン】が自分なら何とか対応できる(対象者を救える)と考えるのは、思い上がり以外の何物でもありません。
とは言っても病気の症状や対応上の留意点を何も知らないというのも問題です。
【人事マン】であれば全員が、メンタルに関する最低限必要な正しい知識、いつもとの微妙な変化に気づく観察力・感性、正しい初期行動ができるようにと心がけるべきと思います。
以下は筆者なりの『【人事マン】が認識すべきメンタル対応10箇条』です。
(1)メンタルヘルスに関する最低限の正しい知識は認識しておくこと
(2)「自分自身は医者ではない」ということを肝に銘じること
(3)できる限り早い段階で専門医(主治医・産業医)につなげることを意識すること
(4)本人から“自殺企図”のような様子が見受けられたり、「死にたい」「生きていても仕方がない」「自分はダメな人間だ」といった発言があった場合には、決して対象者を一人にせず、じっくりと向き合い、落ち着いてからご家族に引き渡すまでは見届けること
(5)対象者のご家族と連携すること(会社としての姿勢をご理解いただくこと)
(6)できるかぎり対象者本人の了解をとってから(主治医やご家族への連絡等)動くこと
(7)できる限り複数人数で対応すること(上司+【人事マン】 等)
(8)対応経緯はきちんと記録として残すこと
(9)本人と話すときは『事実』を元にし、想像で安易に発言しないこと
(10)非常にデリケートな内容なので、情報の取扱いには十分に留意し、対応が必要な人のみに絞ること
大切なことは他にももっとあるかもしれませんが、【人事マン】としての誤った認識での対応に失敗し、対象者本人が傷ついたり、命を落としたりした場合には、計り知れないほどのダメージを受けることになると心しましょう。そして【人事マン】である自分自身がメンタル発症してしまった時に、安心して対応を任せられる【人事マン】の同僚をもっと増やしましょう。
また現場のマネージャーにも上記10箇条を共有することはすぐにでもできます。現場のマネージャーにも展開することで、現場での情報がすぐに人事に上がるようになり、メンタルヘルスケアに関わる理解が進んで、会社としてのリスク回避にもつながります。