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カウンセリングモードの基本

髭人爺(ひげじんじ)です。

今日は面談を行う際の【カウンセリングモード】への切り替えについての話です。

上司が部下に対して「成果確認面談」を行う際には、業績貢献度合い等を確認することになりますので、期初に立てていた目標値や、上司が期待していた貢献レベルを元に、どのくらいの成果が上がったかという観点で、お互いの情報を共有できれば良いので、上司側からも厳しい話もありうるかもしれませんし、部下からも強い自己主張があるかもしれません。

ただし部下の方からの個別の相談であったり、部下の能力開発を目的とした「育成のための面談」の場合には、通常の【成果確認面談モード(双方向のやりとり)】から、【カウンセリングモード(上司側としての積極的傾聴姿勢)】へスイッチを切り替える必要があります。

ここが非常に難しいポイントになります。普段業務指示をしたり、業務負荷の配分を行ったり、方針説明をしたりする際には、「上司側が部下に向かってしゃべる」ことが中心になりがちで、部下はむしろ指示を受ける側ということが多いかと思います。しゃべり続ける上司もいるでしょうし、立場の違いもあり、部下側からはなかなか本音で話しにくい雰囲気があるかと思います。

部下からの相談を受ける際には、(特にメンタルヘルスケアについては)上司側は詰問にならないように、【カウンセリングモード】に切り替えて“部下側からじっくり話をさせ、上司側はひたすら傾聴する”という姿勢が重要です。胸につかえた思いをすっかり出し切るまで話をさせてあげないで、中途半端に終わってしまうと、「言いたいことを言わせてもらえなかった」「話を最後まで聞いてもらえなかった」「結局逆に説得されてしまった」と不満や不安につながることになってしまいます。

そこで【カウンセリングモード】に切り替える際の心構えについて、面白いアドバイスをいただいたのでご紹介します。

【カウンセリング】ということは『神様に向かって、人々がお祈りをすることに似ている』というものです。

いろんな宗教で手を合わせてお祈りをするというのは、自分をさらけ出して一方的にお願いやご報告をしたりする行為であり、その行為の中で人々は安心感を得たり、気持ちの踏ん切りをつけることができたりします。神様側から何らかのコメントが発せられるものではありません。が、対象者本人がどんなに勝手な思いを、どれほど多くの願い事をもってお祈りしても、無条件に聞いてくださる(受け入れてくださる)ことになります。宗教の種類は本当にたくさんありますが、『素の自分をさらけ出して、本音の部分を示して、心の安らぎを求める』というのは、まさに【カウンセラーに求められること】そのものだと思います。

したがって上司が【カウンセリングモード】に切り替える際も、相談者(部下)が、本音で何でもいつまでも話せるようにし、自分側からは余計な詮索や、話の途中で遮るような言動や指示をしないで、最後まで付き合うということが重要になると思います。「自分は祭壇側にいる」と思って、極力無駄な話をしないで、じっくり聞いてあげることが大事であるということですね。

それに神様気分を味わうというのも面白いではないですか。

「そうか、そんなに苦しかったんだね」「よく頑張ったね」ということを理解してあげるだけで、随分部下は救われると思います。

「話の途中で遮らない」「話を早めに切り上げない」「批判しない」「指示・指導をしない」というのは日常の中では随分難しいことです。ただ部下は“勇気をもって相談してきた”のかもしれませんし、“他の人ではなくあなたに相談してきたという点を十分に理解して、たっぷり時間をとって(当日飲み会の約束があってもキャンセルして)相談に乗ってあげてください。

今後私も、今までの思いあがった態度を反省し、しゃべりすぎを改め、“髭神様”になれるようになれればと思います。

 

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