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“燃えつき症候群”について

髭人爺(ひげじんじ)です。

“燃えつき症候群”という言葉をお聞きになったことがあるかと思います。

何か明確な目標をもって、いろんなことを犠牲にしてまで努力してきていた人が、ある日突然にまるで燃え尽きてしまったかのように、意欲を失い、やる気をなくし、表情も暗くなってしまったり、それまで順調に伸ばしてきた記録が、ある日を境に急に伸びなくなり、逆にどんどん下がっていってしまうような現象のことを言います。

オリンピックのような公式イベントがあると、結果が良かった方も、残念ながら望んだ結果を出せなかった方も、突然陥ることがある症状だそうです。一旦発症してしまうと努力しても身体が全くついてこなかったり、あれほど燃えていた気持ちが萎えてしまったりということもあります。

“燃え尽き症候群(バーンアウト症候群)”は、アスリートの世界だけではなく、通常の仕事でも起こりえます

特に、看護師、介護ヘルパー、教師といった職業の方に多いそうです。

患者の回復を祈り、一緒に治療にあたってきたにもかかわらず、病状が悪化して急に亡くなってしまったり、介護ヘルパーとしてお世話をしてきた高齢者が急に亡くなってしまったケースでは、特に「今までの心のつながりが急に絶たれてしまい、自分の努力が無駄になってしまったかのように受け取ってしまう」ことも多く、その分思いの外ショックが大きいようです。

教師の場合は、非常に濃い人間関係を築いてきた生徒が卒業してしまったり、部活動で最大の目標にしてきた試合が終わってしまったりというタイミングで、症状が発生してしまうこともあるようです。もちろん自分の生徒が自ら命を絶ってしまったようなケースでは特に大きなダメージを受けますが、そんなケースとは別に、「努力が報われて、良い結果が出たケース」でも、同様の症状は起こりうるのがこの病気の特徴です。

発症する対象者は、概してエネルギッシュ真面目で、高い理想をもって一生懸命仕事に取り組んでいる人がなることが多く、今まで自分が注力してきたエネルギーの向かう先(目標)がなくなってしまったり、今も努力はつづけているものの、そのことに誰も気づいてくれず、あたかも空回りしているかのように感じてしまったりということも、発症の原因になりうるようです。

たとえば、認知症の方の介護をしてきた人が、なかなか患者さんからの感謝の言葉をもらえなかったり、介護を拒否されたり、認知症が進んでしまった時によく発生する「物盗られ妄想」で犯人扱いされてしまったりすると、自分の高い志を否定されてしまったように感じるみたいです。

ただでさえ毎日の介護に疲れながらも、必死で自分の気持ちを前向きに修正しようと自分に言い聞かせて、日々明るく過ごしていた方が、『そうまで努力・我慢して対応する意義』を感じられなくなってしまういうのはどれほど辛いことなのか、察するに余りあります。地道に努力を続けてきた方にこそ(ほんのちょっとした言葉で良いので)感謝の気持ちを伝えたいものです。

周囲の方の中にも、人知れず一人で同じような努力を続けてる方もいらっしゃるかもしれません。プライベイトのことですし、あまり他人に知られたくないこともあって、一人で抱え込んでしまうこともあるようです。できれば「毎日よく頑張っているね」とか「有難う!あなたのおかげで明るく過ごせるわ」といった、ほんの一言が「燃え尽き症候群」を防ぐKEYになるかもしれません。

いつもとは違うサインに気づき、優しい気づかいで人の心・命を守っていける人のことを“命の門番”もしくは“ゲートキーパー”とよぶそうです。できれば少なくとも身近な人の“ゲートキーパー”にはなりたいものです。

 

 

 

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