髭人爺(ひげじんじ)です。
今日は「自律訓練法」(Autogenic Training)のご紹介です。
筆者自身は「自律神経の訓練だから深呼吸みたいなものだろう」とタカをくくっていました。しかしながら、高所恐怖症(実は閉所恐怖症だけでなく、高い所も苦手です)の改善のための全身弛緩法にも通じるところがあるように思いましたし、筆者も立派な中年オヤジですので血圧も高い時があり、このように自らできる訓練というのは良いと素直に思いました。
特にリラックスするのが苦手な人、大事な時ほど緊張してしまい本来の実力を発揮できない人には有効だそうです。(ホルモン分泌や免疫機能の向上も図れるとのことです)
やり方:
(準備)温度、音、照明等の室内環境を整え、ベルト・ネクタイ等を外してリラックスできる状態で、横になるか、椅子に座り、目を閉じ、深く息をする。(トイレは済ませておき、空腹時は避ける)
公式1)
心の中で「気持ちがとても落ち着いている」と唱える。ゆっくり息を吐くようにして全身の力を抜いていく。(吐く息と一緒に、身体の緊張も外に出ていくようなイメージ)
公式2)
両手、両足が重たいと考える。まずは利き腕に気持ちを向け、指先からスーッと力を抜いていき、自然な重さだけにする。その際「利き腕が重たい」と唱える。次にもう一方の腕に気持ちを向け、同様にしていく。腕が終わったら、片足ずつ同じように順番に力を抜いていき、「重たい」と唱える。
公式3)
両手、両足が順番に「重たい」と唱え力を抜いた後、今度は徐々に「温かさ」を感じるようになる。利き腕から順番に「利き腕が温かい」と唱え、もう一方の腕、片足、もう一方の足と順番に、「〇〇が温かい」と唱える。
公式4)
今度は「心臓が静かに規則正しく打っている」と心の中で唱え、自分の心臓の動きに意識を向ける。
公式5)
今度は呼吸に意識を向け「楽に呼吸することができている」と心の中で唱える。
公式6)
お腹に意識を向け、「お腹のあたりが温かい」と心の中で唱える。
公式7)
「(身体は温かくて)額が気持ちよく涼しい」と心の中で唱える。
上記公式1)~7)を1回あたり3分~5分で行い、1日に1~3回行うというのが全体の流れです。
自律訓練法では「意識は向けるが、無理やり能動的に唱えるのではなく、『ぼんやりとした状態の中で何となく意識を向ける』ということが重要だそうです。これを“受動的注意集中”というそうです。一種の自己催眠のようなものですね。最初のうちは慣れないので1分くらいで良いそうですし、途中の公式まででも良いそうです。
大切なのは終わり方です。軽い自己暗示にかかっているそうなので、終了する時には必ず【消去動作】が必要です。
・両手のこぶしを握って手を開きます。次に胸元に腕を引き付けて、思い切り手を伸ばします。最後に2、3回大きく背伸びをしながら腹式呼吸(お腹を膨らませたり、凹ませたりして、横隔膜が動いていることを感じながら実施する呼吸)で深呼吸をしてください。
・実施直後は、めまいや脱力感、ふらつきがあることもあるそうなので、十分にご留意ください。
みなさんも試してみてはいかがでしょうか?