髭人爺(ひげじんじ)です。
いきなりTV番組の話ですが、(筆者も大ファンの)作家海堂尊氏の医療ミステリーシリーズに「チーム・バチスタの栄光」という著作があり、伊藤淳史さん、仲村トオルさん主演でTVドラマ化されていますね。(海堂尊氏のシリーズはお勧めですね)
伊藤淳史さんが演じる田口公平(グッチー)医師は、不定愁訴外来、通称“愚痴外来”で患者の対応をしています。医師でありながら血を見るのが嫌だという理由で、不定愁訴外来を受け持つことになったわけですが、作家の海堂尊氏は元々医師免許も持っているということもあり、非常に医療現場のリアリティを出来るだけ追求した作品にしたいという思いが強かったという話を聞いています。
ドラマでは、この田口医師は、厚生労働省の“火喰い鳥”“ロジカルモンスター”と呼ばれる、仲村トオルさん演じる「白鳥圭輔」と一緒に事件の究明をしていくわけですが、その合間に「不定愁訴外来」で患者の診察をするシーンも描かれています。実際に患者がいろいろと自分のペースで喋り続けるのを、辛抱強く柔らかい表情で、患者に寄り添いながら聴き続けている様子が描かれています。
ちなみに<不定愁訴>とは
「頭が重い」、「イライラする」、「疲労感が取れない」、「よく眠れない」などの、何となく体調が悪いという自覚症状を訴えるが、検査をしても原因となる病気が見つからない状態を指す
とあります。実際に症状が重くなるとウツ病に陥ることもありますし、素人判断をしてはいけないと思います。
このドラマが高い視聴率を稼ぐことができた一つの理由に、当時ドラマで主役を張ったことのない、伊藤淳史さんをキャスティングしたことがあるのではないかと私は思います。伊藤敦史さんには失礼かとは思いますが、一見は、懐の大きさやどっしりとした安心感を感じるようなタイプではないところが良かったのではないかと思っています。誰に対しても丁寧で真面目で、名前と同じように『公平』に接し、誰よりも患者の心に寄り添う姿勢に、視聴者は引き込まれていったのだろうと思います。
心の中に秘めた悩みを抱えている人にとって【どんな人に悩みを聞いてもらいたいか】というのは大変大事なPOINTであり、外見もそうですし、醸し出す雰囲気も、話しぶりも、聴く時の姿勢も全て“信頼関係が築けるかどうか”の基準になっていくのではないでしょうか?
そういう観点で、マネージャー側、人事担当側は、常に「どのように見られているか、感じられているか」を留意しながら、メンタルケアを進めていかなければならないと思います。
企業内ではなかなか【不定愁訴外来】の医師のような診察や、産業カウンセラーのような専門的なカウンセリングはできませんが、面談をする側の立場の方は少なくとも『カウンセリングの基本』みたいな部分は、きちんと勉強し、通常の目標面談とは違った形でのコミュニケーションができるように心がけたいものです。