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どうして成果面談だけではいけないか?

髭人爺(ひげじんじ)です。

今日は「毎期きちんと面談をやっているのに、なぜ部下はそこでメンタル面の相談をしてくれないのか?」という話です。

まず上記のような疑問を持っている上司がいるのであれば、そこが一番問題です。部下側からの視点を全く考えていない発言ですね。

毎期に実施される面談というのは、基本的には【期初に設定した目標値に対して、どれほど成果が出たのかを上司と部下でお互いの言い分を言いながら確認をする場】という認識だと思います。

部下からすると

「自分としては頑張ったつもりだけど、認めてもらえるのだろうか?」

「日常では上司自身が外出や会議ばかりで不在が多いので、仕事ぶりは把握してもらえていないと思う。仕事のプロセスはアピールしたい」

「今期の成果は自信があるので、きちんと高く評価してもらいたい。是非強くアピールしよう」

といったような気持ちで迎えている場合もあると思います。

つまり、自分の評価に関わる面談という意識があると思いますので、ほとんどの方はいつもよりも緊張して臨んで来ると思います。

逆に上司側は

「彼は今期非常に良い成果を出してくれたが、少し『全て自分の力だけで達成した』と思い込んでいるところがあるので、関連部署とどのように協力して進めたのか確認しよう」

「今期は残念ながら期待していた仕事の進め方をできていなかったので、もっと計画性を持って、限られた納期の中で成果を出して欲しいと伝えよう」

「本人はプレゼンがうまくいかなかったことを落ち込んでいたが、仕事のプロセスは良かったので次のプレゼンでの挽回を期待していると勇気付けよう」

といったことを伝えたいと思っているかと思います。

 

つまり『成果確認面談』の場というのは、プロ野球で言えば《来年度の年棒を決めるための契約更新交渉》のようなものです。ある意味、上司と期に1回実施される【評価を勝ち取るための戦いの場】と言ってもいいでしょう。

部下からすると、成果が出なかった理由について、少しは言い訳したいところもあるでしょうし、上司に対しての要望事項もあるかもしれません。もしかしたら上司に対しての文句の一つも言いたいという猛者もいるでしょう。

そのような場で、たとえばメンタル的に厳しくなっている対象者が、上司に素直な気持ちで相談できるでしょうか?

私なら「困ったことがあったらなんでも相談してよ」とか「なんだ、そうだったんならもっと早く相談してくれればいいのに」という上司が、一番信用できません。

わかりやすく言うと

「もっと普段から部下に関心を持って見ていろよ! そうすれば部下が困っているかどうかに気づくから。面談の時だけいいカッコせず、自分の方で気づけよ!」

「相談しにくい雰囲気を醸し出しているのはあなたの方だよ!信頼できる上司であれば当然もっと早く相談しているよ!」

ということですね。

 

だからこそ、敢えて「成果確認面談」とは別に、【部下の困りごとを聞くだけに集中する面談】を設定しないと、いつまでたっても上記のような上司が残ってしまうわけです。いつかきちんと部下の気持ちに気づいてもらわないと「成果面談だけで充分」と思い込んでいる上司はいなくならないですね。

そういう意味では最近はどの会社も“カウンセリング”“キャリアアップ面接”といったコミュニケーションを大切にするという施策を打ち出してきていますし、上司に対しても“多面評価制度”“マネジメント研修”等で、自分のマネジメントスタイルを見直すようになってきていると思います。

ただ、今まで何年も同じスタイルでやってきた上司が(自分で指導や指示をすることを我慢して)急に「じっくり部下の話を聞いてくれる理想的な上司」になれるとは思えないので、下手するとしばらくは【部下にとっては面倒な時間】が増えてしまうだけかもしれません。ただ大義名分だけでも「成果とは別の相談ができる時間」ということで、言いたいことが言いやすい時間になればと思います。

上司側は「部下が本音で相談してくれないのは、上司側のスタンスが悪い」と自覚し、《マネジメントモード》から《カウンセリングモード》にスイッチをひねって切り替える必要がありそうです。

私自身、面談で部下にブチ切れられたこともありますし、途中で退席された経験もあります。その際は「上司側が話をコントロールしようとしすぎて、喋りすぎだった」と反省したものです。

『自分が思っているよりも、部下の姿は見えていないのが現実』ということをちゃんとわきまえて、日常から部下にもっと関心を持って、様子を把握しておかなければならないと思いますね。

 

 

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