髭人爺(ひげじんじ)です。
今日は『メンタルになった時、友人はどこまで頼りになるか』という話です。
ちょっと長いです。
もちろん【まさかという時に「心の支え」になってくれるのが友人である】というのが結論であると思います。しかしながら、いざ「メンタルケア」ということになると、誰にどこまで話ができるのか悩むことも多いかもしれません。
皆さんの中には、「友達に余計な心配をかけてしまうのではないか」とか「メンタルという病気になってしまったら、今まで通り付き合ってくれるだろうか」というようなことを心配してしまう人もいるかもしれませんし、自分で対処できるレベルであれば自分で対応しようと思われるかもしれません。
筆者のケースで説明していきたいと思います。
『閉所恐怖症(パニック障害)』になってしまった際は、普段の業務や外出出張の際に迷惑をかけるかもしれないということもあり、むしろ結構早めに上司や同僚に説明しました。おかげさまで職場では(飲み会の際の席の場所や、飛行機での出張を避ける等)いろいろと配慮していただけました。 その頃は、友人にも「俺、狭いところアカンねん」といった感じで気軽に話し、自分なりに工夫することで、友人たちにはさほど迷惑をかけることなく、普段通り過ごせていたと思います。
職場や役割が変わり、上司も変わり、仕事が忙しくなり『睡眠障害による昼夜逆転現象(軽度の抑うつ症状)』が出てしまった時には、仕事を休むことは職場の上司にはもちろん相談し病状も報告しましたが、その件を、友達(親友)に相談したかというと、正直、自分からはなかなか説明できませんでした。その時は「これは必要以上に余計な心配をかける可能性がある」と思って、自分から連絡するのは躊躇しました。友人達も、みんな忙しい人間ばかりでしたし、私自身が「人事担当」という業務を通じて、少しはメンタルに関する知識があるということで、自分なりに早期に回復できるとタカをくくっていたわけです。
でも「心(思っていること)」と「身体(やること)」のバランスが崩れているのがメンタルヘルスの難しいところであり、なかなか回復できない不安も重なって、『他の人を自分のことに巻き込みたくない』という気持ちがどんどん強くなっていってしまいました。特に親しい人であればあるほど、相手の自分に対しての優しさや人の良さに甘えることで、人一倍迷惑をかけてしまうのではないかと思ってしまうものです。
もしもこれが「独身で、家に帰っても話ができない人」であったり、職場でもなかなか「心を割って同僚と話すことができない人」であった場合は、非常にリスキーな状態になると思います。
メンタルケアの中でも一番大事なのが『早期のうちに発見し、然るべき対処(専門医につなぐ)をする』ことであり、そのためにも“普段と何処か少し違う”ということに気づいてあげることのできる存在が不可欠です。
そういう意味では、その“普段と何処か少し違う”という様子に、気づくことができるのは、家族の次にはやはり【親友】の存在が大きいのではないでしょうか?(場合によっては、家族よりも先に【親友】が変化に気づくかもしれません)
不幸にして、『自殺』という形で自ら命を落とすという人が、未だに年間3万人以上もいる日本では、多種多様なストレスを抱えて過ごしています。が、【自分のことは全て自分で解決して行くこと】は無理だと思います。甘えられる人がいることは幸せなことです。
最近は、筆者自身、考え方を少し変えました。
【親友】だからこそ、困った時にはきちんと打ち明けるべきだと思います。特に最近メンタル症状に当てはまるものがあると思った時には、真っ先に相談すべきです。
もしも逆の立場だった時、あなた自身も『なんでもっと早く相談してくれなかったのか?』と思うはずです。それが【親友】という存在であればなおさらだと思います。ましてウツ症状が引き起こす『自殺』という最悪の結果になった場合、【親友】は「なぜ自分に相談してくれなかったんだろう」「自分が気づいて話を聞いてあげていればこんなことにはならなかったのに」という後悔を、その後一生背負って生きていくことになります。それは非常に不幸なことです。
メンタル症状がひどくなるよりは、【親友】に甘えて、話を聞いてもらって、時には怒られた方がずっと良いです。
自分が甘えて心配をかけるのが心苦しいのであれば、次は【親友】が困って、もしも心を痛めてしまった時があれば、誰よりもいち早く気づき、全部吐き出させてあげれば良いのです。
そのためにも非常に大切なことがあります。
【親友】にも『メンタルケアに関する最低限知っておかなければならない知識』を知っておいてもらうということです。決して病気名やそれぞれの特徴や対処方法まで知識として知る必要はないです。知識があるのとないのとでは、変化に対しての感度が全く違ってきます。《親友の変化に気づくこと、(話をしなくても良いから)寄り添って一人だけにしないこと》だけでも良いです。
「星の王子様」の作者であるサン・テグジュペリだったと思いますが
「助けてくれる親友はたくさんいる。ただ、自分に助けを求めてくれる親友が本当の親友である」
と書いていたということを友人に教えてもらいました。(すみません。大事なことなのにうろ覚えです。トホホ)
皆さんは【親友】がメンタルで苦しんでいる時に気づけますか?
【親友】がその苦しみを自分に打ち明けてくれるような付き合い方ができているでしょうか。
そう考えると『メンタルになりそうな時に信頼して相談できる相手』を増やすことを、もしも各個人一人一人が考えていけば、心の仕組みが解明されていき、相手のことを思いやる余裕が生まれ、いじめも減り、メンタル疾患もなくなるのかもしれませんね。
自分も全く実行できていないのに、偉そうにすみません。