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マライア・キャリーの告白について思うこと

髭人爺(ひげじんじ)です。

世界の歌姫マライア・キャリーが「双極性障害」で苦しんでいたことを告白しましたね。今回は、ハリウッドスターに限らず「人の視線にさらされる対象者は、症状が悪化しやすい」と感じたという話です。

双極性障害というのは下記の厚生労働省のHPにもあるように、一般的には「躁うつ病」として知られています。実際に私も何度かこの症状をもつ社員の方の対応をしたことがありますが、「躁」の状態の時と、「鬱」の状態の時では、全くの別人のような感じです。

http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_bipolar.html

マライア・キャリーがデビューした時のことはよく覚えています。レコードジャケットを見ても非常に知的でチャーミングな女性が、数オクターブの音域をもって歌うということにびっくりした記憶があります。その1枚のアルバムで一気にスターダムにのし上がってしまい、本人もおそらくは予想もできなかったスピードで有名になってしまって、まさに「息つく暇もない」という感じだったでしょう。

毎日毎日自分の意思とは違う部分で決められたスケジュールに従って、どこにいるかもわからないような状態で過ごしていたことだと思います。並大抵な精神では耐えられなくなってしまうでしょう。

その中で双極性障害を発症してしまうと、「うつ」の時は本当は全く動けないにも関わらず、ドル箱スターだからと引きずり出され、引き回されていたでしょう。いったい誰にそこまでできる権限があるのでしょう。「躁」の時はその反動で「誰にも止められない我が儘状態」になると思います。周りの人が自分よりも低い人間だと思ってしまうでしょうし、無理な注文を繰り返して、ツアーどころではなかったと思います。この時はプロデューサーもディレクターも頭を抱え、スポンサーも困ってしまったと思います。

プライベイトでも短い期間で結婚、離婚を繰り返してしまい、どこにも「安らぎ」がなかっただろうということは充分想像できます。

どう考えても「圧倒的な睡眠不足」「自分自身の思いを無理やり抑えなければいけないこと」「プライベイトまで見張られ、好奇な目で覗き見される生活」「誤解される言動」「言ってもいないことが記事になってしまう理不尽さ」「秒分単位で決められたスケジュール」とどれをとっても、【人間をおかしな方向に向かわせている】としか思えない状況が続くわけです。

「おかしくならない方がおかしい」と思います。

マライア・キャリーの場合は、ここ数年間で誰にでもわかる通り、明らかに体型がおかしくなっていましたし、そんな中でも「スターであり続けること」から本人も逃げられず、無理してレオタード姿になったりしていましたね。みんなが「もう完全に別人!」と思っていたのに、「その恰好おかしいよ」と本当のことを誰も言えず、誰も救うことができませんでした。

ハリウッドでは特に「子役時代にチヤホヤされたスター」(たとえば「ホームアローン」のマコーレー・カルキン等)は、思春期にアルコール中毒や薬物に手を染め、暴力行為に走り、逮捕されたりしている状況があります。子供が成長する際に過度なストレスがかかると、コントロールしきれないのは誰でもわかる話だと思います。

 

ハリウッドに限らず、日本でもスターがプレッシャーに押しつぶされ、大麻やマリファナ、スピードといった薬物にはまり、逮捕される事件が毎日のように報道されています。(お金が自由になる二世タレントが多いみたいですが) 上記のように「睡眠不足」「秒単位でのスケジュール」「好奇の視線」というストレスでつぶされていくアイドルもたくさんいるでしょう。

芸能事務所のTOPが、少なくともメンタルケアの重要性を認識し、専門スタッフを横につけて過剰なスケジュールを抑える権限を行使しない限り、同じようなことが起こると思います。きちんと当たり前のことを当たり前にやれば、TVでいろんなエンターテイメントで楽しませてくれるスターたちが、もっと輝いて見えるはずと思います。

 

今回本件を記載したのは、何もスターだからという特別な話ではないんですよということが言いたかったのです。

マライア・キャリー自身が本当に勇気をもって告白したことで、随分多くの人が救われることになるのではないかと思います。今、マライアキャリーと同じように苦しんでいらっしゃる方もいると思います。本人にとってはその苦しみは、スターだからとか、一般人だからと言って変わるものではありません。みんな同じように苦しんでいるわけです。

ただ少しだけ言えるのは「マライア・キャリーよりは時間がある」「自分の判断で病院に行ける」ということかなと思います。回復できるチャンスがまだたくさんあるということでしょう。

昨日今日とTVではTOKIOの山口達也メンバー(この言い方あまりしっくりこないが)の事件でもちきりですが、自分たちレベルに置き換えて、何かに依存しないと生きていけないような人や、周りで苦しんでいる人がいないかと気を配りたいところです。

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