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バーバルとノンバーバルなコミュニケーション

髭人爺(ひげじんじ)です。

今日は「目は口ほどにモノを言い」という話です。

2020年には東京オリンピックが控えています。前 回の1964年の東京オリンピックは戦後復興の象徴として開催され、そのために交通網が整備され、東海道新幹線開通も間に合って、日本の潜在的な力を世界に示したイベントになったと思います。(といっても筆者は生まれて間もなくでしたので記憶には全くありませんが)

【JAPAN-MADE (本当はJapanese-Made)】は最先端技術の代名詞のようになり、日本は経済大国として、世界各国とも物資、人材、情報の交流を引っ張るのが当たり前の世の中になりました。(そういえば昔は“Made in Japan”と言っていたのがすっかり【JAPAN-MADE(Japanese-Made)】の方が聞かれるようになってきますね。不思議です) 

それに伴い、海外の方とコミュニケーションをとる機会がずいぶん増えてきているように思います。2020年になればドッと人も押し寄せるでしょうし、街角で外国人の方に突然道を聞かれることがあるかもしれません。昔だったら「ボディ-ラングエッジ」(古っ!)と言われたように、身振り手振りで何とか切り抜けるようなこともあったかもしれません。

 

本日ちょうど渋谷で、外国人のご夫婦らしき男女の二人とお店の人が言い合いをしているところを横切りました。 筆者は先を急いで歩いていましたし、立ち止まってゆっくり聞いていなかったので内容までは分かりませんが、とにかく外国人の方が怒っていて、お店の人が謝っていることだけは分かりました。明らかに外国人の男性は顔を真っ赤にしていて、声も大きく身振りも激しくしていましたし、お店の人はペコペコと頭を下げていましたので、どちらが悪かったのかはだいたい周りの人もわかったようです。

その《言葉(言語)で意味を伝える》ということと、《身振り手振りで意図を伝える》ということについて、ふと思い出しました。

最近はメール等でのやり取り、つまり文字情報が中心となり、電話でさえも少なくなってきていることを感じていました。そのことにより、会社でもよく誤解が生じ、トラブルのもとになることがありました。直接会って話ができるのが良いのですが、物理的な距離もあり、電話もしくはメールでの情報共有が多くなりました。電話では「言った言わない」「売り言葉に買い言葉」のトラブルになることが多く、最近の若手社員は、数メートル先にいる上司や隣の席の同僚にさえも直接話さず、メールで報告・相談をしたりということが多くなっていて問題視されていました。

特に筆者が驚いたのは、“自分が仕事で失敗した時に、同じフロア内にいるのにメールでお詫びを送って済ましている新入社員がいたこと”、“自分の歓迎会の翌日に職場で会っても挨拶も何も言わず、メールで参加者に「昨日はありがとうございました」と送って普通だと思っている新入社員がいた事”、”“目の前にいるのに退職の挨拶をメールで流すという若手社員がいた事”です。勤務地が別の方であったり、同じ勤務地でも社員が多くてなかなか会う機会がないといったケースであれば、メールでの挨拶も仕方ないと思いますし、みんな忙しい中で時間を取らせるのは申し訳ないという気配りからであれば理解できますが、あまりにも人間同士の基本的なかかわり方ができない人が多いと思います。

そのくらい《言葉で意味を伝えること》というのは難しいなあと常々思っていました。

今日の渋谷で見かけた出来事で【バーバルコミュニケ-ション《言語で意味を伝える》】【ノンバーバルコミュニケーション《言葉以外の方法で意図を伝える》】の比率のことを思い出しました。

さて、みなさん、何か伝えたいことがあった時に、そのニュアンスまで正確に伝えるためには、有効な手段は「言葉(言語)」と「言葉以外」でどのくらいの比率なのでしょうか?

これは初めてメンタルヘルスケアのカウンセリングの講座でお聞きした時にはびっくりしましたが、言葉つまり【バーバルコミュニケーション】で正確に(感情面も含む)ニュアンスまで伝わるというのは3%程度であり、声の口調、声の大きさやスピード、顔の表情、身振り手振りといったような『言葉以外』の部分つまり【ノンバーバルコミュニケーション】でニュアンスが伝わるのが97%をしめるという実験結果があるということです。

確かに、たとえば「いい加減にしてください!」という言葉を使ってメールしたとすると、「いつものことなので呆れてあきらめ口調」なのか「怒り心頭という感じで今にもつかみかかってきそうな言い方」なのか、(たとえその前後の文脈があったとしても)正確に伝えるのは難しそうです。それよりも本人の顔の表情や声を直接受け取ったら、すぐにわかる気がします。

できるだけ人間同士、顔を見て直接話すのがやはり一番です。今後は直接会うのが一番ですが、最近はPCやスマホでも顔を見ながら話ができますので、できるだけ本人の様子が見える形でのコミュニケーションが主流になっていけば良いと思います。(そうなれば、匿名で誹謗中傷をしたり、犯罪を仕掛けたりすることも減ってくるかもしれませんね。)

 

本ブログでこの話を記載したのは、単なるコミュニケーション論ではありません。

実はメンタルヘルスケアという局面でも、この【ノンバーバルコミュニケーションの重要性】をもう一度考えなければならないと思うのです。

メールで連絡を取っているので大丈夫と思っていると、人知れずメンタルで苦しんでいたといった実例はたくさんありますし、文字だけで正確なニュアンスまで伝えるのは不可能であると思います。本当は顔色が悪く、明らかに無理していると一目でわかるような状況でも、【バーバルコミュニケーション】中心であれば、見逃すこともあるかもしれませんし、特にメンタルの方に多いのは『責任感の強さ、真面目さから、無理をしてしまう』というケースです。

メンタル症状ではないかと思われるような対象者にこそ、信頼できる誰かの直接のコミュニケーション(例えば何も言わないで傍にいてくれる人や、言葉以外の感情面も受け入れてくれて一緒に悩んでくれる人の存在)が必要になると思います。

本日言いたかったのは

「メール(言葉)だけに頼らず、言葉以外の方法でもメンタル対象者をフォローしてあげてほしい」

ということでした。

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