髭人爺(ひげじんじ)です
今日は「自分を褒めてみませんか?」という話です。
「最近の若者は我慢することができずにすぐキレる」と言われ始めて、既に二十数年経つように思います。「すぐキレる(と言われていた)第一世代?」の方々が、今は親になり、「すぐキレる第二世代」の子供を育てているのが現実です。
当然ながら、その第一世代?の方々は、核家族の家庭で、小さいころに甘やかされて育ち「大人から徹底的にこっぴどく怒られた経験」というものがなく、欲しいものは全て与えられてきたのだろうと思います。いざ自分が親になった場合、子供に対してどのように接したらよいのかわからなかったり、身近に手本になるような人がいなかったりして、苦労をされていると思います。その結果、育児に悩んで自分を傷つけたり、病気を発症して子供を虐待したり、最悪なケースでは自分の子どもの命を、自分の手で終わらせてしまうという、起こってはいけない不幸な事件が毎日のように報道されています。当然ながら正常なメンタル状況ではないです。
そこまで事件性のある事例は身近にはなかなか起こらないと思いますが、確かに、最近のママさんたちを見ていると、子供が必死に話しかけているのにスマホに夢中な人や、きつい口調でわめいて黙らせてしまうような人を目撃することが増えたようにも思います。自分に余裕がある時は良いですが、面倒くさいとか疲れているといった時にはほったらかしで、ママ友とのおしゃべりに夢中というパターンです。レストランのような公の場所で、自分の子どもが大声出して走り回っているのに、何も注意もしない親はたくさんいます。といってこちらが直接子供に注意しようものなら、逆に白い目で見られるといったリスクもあります。普段からいろいろとストレスもたまっているのかもしれません。
筆者がまだ小さかったころは、近所に怖いおじちゃんおばちゃんがいて、自分の子どもでなくても、「危ないこと」や「卑怯なこと」をしているのを見つけるとよく怒られたものです。各家庭だけでなく、町全体で子供を育てていこうという雰囲気はありました。ところが最近、自宅の周りで遊んでいる子供(といっても座り込んでカードゲームか携帯ゲームばかりです)が、自分で食べたお菓子の包装を平気でその場に捨てているのを見て、何度か注意したことがあります。一時期は本当に「近所の怖いおじさん」になってやろうと思っていました。
最近ゆっくりと考える時間ができて、上記のような現象を見た時に、「これはもう、子供を育てる親側の問題といっても解決しないなあ」と思うようになりました。
むしろ、子供を幼稚園に入れる段階から「競争」「比較」が続いており、相談したい友人でさえも、ある意味でライバルであり、いろんな視線のプレッシャーと毎日孤独に戦っているのではないかと思うようになりました。自分自分がストレスをうまく解消できていないと、当然ながらイライラも募りますし、周りの先輩世代の方々も昔ほど世話を焼いてくれなくなり、何をどうしたらよいのかわからない状態でいる人が多いのではないかと思います。
仕事でも同様で、同期社員は友人ではあるがライバルでもあり、お互いの見栄の張り合いみたいなところで疲れてしまい、純粋に「やりたい仕事ができていない」人も多いのではないかと思います。
よく「私は褒められて伸びるタイプなんですよね」なんていう若手がいますが、これは実は願望の裏返しであり、プレッシャーから身を守るための精一杯の抵抗なのかもしれません。
とはいえ、そう簡単には誰も褒めてはくれません。しかも「褒めるのがうまい上司や先輩」は少ないのが現実です。
そこで今回お勧めしたいのは【自分で自分を褒めてあげませんか?】ということです。
ある意味“自己暗示”と言っても良いかと思います。ちょっとしたことで良いのです。誰も言ってくれないのであれば、自分で自分を鼓舞してあげましょう。ポジティブで優しい表現の言葉を口に出してみる、文字に書いてみるといったことが、結構重要なことであると思います。
「今の発言、結構うまくいったよな」「今日も一日よく頑張ったなあ」「さすが俺!何とか間に合った!」「何とかミスもなく乗り切れたなあ。」「これで明日も頑張れそう!」「今週一週間、ご苦労様」「あのきつい質問によく耐えたよ。」「私ってやっぱりできる奴なんだ」 etc
実際に口にすることで、その実現に近づいていくということは本当にあるようで、『言霊(ことだま)』というそうですね。不思議な現象と思いますが、メンタルのセルフコントロールという観点で「自分の気持ちと身体をその気にさせてしまう」というのは大事であろうと思います。「すぐにキレる」という人が増えるのではなく、「キレないで消化できる自分を褒めてあげることができる自分」が増えれば良いですね。