髭人爺(ひげじんじ)です。
今日は「逃げることのススメ」です。
“逃げる”という言葉の響きは、どうしても「責任を放棄」とか「卑怯者」といったネガティブなイメージがありますね。私も小さい頃から親に「卑怯なことをするな!」ということは口を酸っぱく言われていましたし、親に一番怒られたのも「言い訳」をしようとした時で、親父にこっぴどく怒られたことを未だに思い出します。
しかしながら、今回の話は「逃げることのススメ」です。これは何が何でも、どんな時でも逃げちゃえという話ではもちろんありません。当然ながら「努力できる状況」であれば、自分の担当業務から逃げることは許されませんし、責任を果たさなければ対価をいただく資格もないと思います。
自分が逃げることで、当然ながら別の誰かがその業務をフォローせざるを得なくなります。仕事ではなくたとえばそれが受験だったとしたら、せっかくの受験資格を放棄したことになり、また翌年まで受験勉強をしなければならないという形で自分に戻ってきます。
つまり、逃げて良いのは“メンタル発症の時だけ”です。
健康面でメンタル症状を発症しまっている場合、これは「自分だけではどうしようもない状況」であり、特に鬱症状の場合はひどくなると《自殺企図》という厄介な考えが起こってしまう可能性があるからです。
そのような考えが自分の中にムクムクと大きくなってきてしまった場合は、それこそ迷わず逃げましょう。むしろ《自殺企図》が起こるくらいギリギリの状態になってしまったら、なかなか行動に移せません。それほどウツに寄って引き起こされる『自ら命を絶つという衝動』は大きいそうです。できればそんな状態に陥る前に、まずは逃げるということをお勧めします。
逃げる先で、一番身近なのは「家族のところ」だと思いますが、逆に家族自体がストレッサーになっていることは多々ありますし、それにお互いが気づいていないこともありますので、一番安全策をとりましょう。
それは「専門医のところ」です。
本ブログでも何度もそのあたりについてのことを記載してきました。専門医(心療内科あるいは精神科)のところというのは、初めての人にはハードルが高いように見えているかもしれませんが、むしろ『人の話を聴く』ことのプロフェッショナルですので、守秘義務も果たしてくれますし、安心して診ていただけるのではないかと思います。いろいろと話を聞いてくださった中で、自分も気づかなかったような原因もご指摘頂けるかもしれませんし、少なくとも第三者に話すことで確実に自分の中のストレスが低下するのを感じることができると思います。その上で処方を受けてよく眠れるようになると、体力や気力も回復しやすいです。
一番問題なのは、診察を受けるまで時間がかかり過ぎてしまい、病状が進んでからだと自殺のリスクも大きくなりますし、回復に時間がかかるということです。
薬も効果が出てくるまで少なくとも2週間はかかります。何か「今の状態から逃げたい」ということで気持ちが追い込まれている人は、専門医を訪ねてみましょう。外来の専門医ではどこに行けばわからない場合には、会社の診療所の産業医や看護師等の保険スタッフにまずは相談するのも良いとは思います。が、明らかにメンタルの症状を自覚している方は、【逃げ先】は専門医(心療内科あるいは精神科)がベストと思います。
いろいろと「逃げる」ことで心配事項も出てくると思いますが、症状が重くなってからかける迷惑の方が大きいということを認識し、早めに(症状が軽いうちに)逃げちゃいましょう!