髭人爺(ひげじんじ)です。
今日は「メンタル対象者からの相談はいつまで聴いてあげれば良いか」という話です。
これは、答えはシンプルで『その対象者が十分に話を聞いてもらえたと納得するまで』です。
といっても「相談できる時間」には限度がありますよね。筆者自身「10分だけ時間をください」と言われて、結局2時間半ほど話に付き合ったこともあります。恐らく、当初の約束通りの10分で終了することの方が珍しいと思います。
本ブログ「愛すべき厄介な人たち case2」http://higejinji.net/2018/01/23/case2/
話を聞いてもらいたい人でメンタルヘルスで苦しまれている人にとって、自分の話を聞いてくれる人は非常に貴重であり、一旦話し出すと、最後まで吐き出してしまわないと不安感が消えることはないのです。
これはたとえ仲の良い友人だったとしても、「自分の悩みばかり」を話し続ける人に最後まで付き合うのは、大変な根気と友情が必要です。しかももしも『メンタル症状のような様子の対象者』である場合、無神経な相槌を打ったり、生半可に返事をしたり、余計な一言を挟んだりすると、逆上されたり、急に泣き出したりといったことも大いに予想されます。不用意な対応は、友情にヒビが入るリスクがあるばかりでなく、症状が悪化してしまうということもあり得ます。友人と言えども、人知れずメンタル症状で悩んでいるかもしれないので、気をつけてあげなければなりません。
もしも、相談を受けた側にメンタルヘルスケアについての正しい知識がない場合には、(相談者本人はもう頑張りきれないくらい必死なのに)「ここで頑張らないとダメだよ」とか「もう少し様子を見てみれば?」といった声をかけてしまって、余計に苦しめてしまうことも十分あり得ます。
それくらい「一方的に人の話を聴く」ということは、かなり難しいことです。
人間には「耳が2つあるのに対して、口は1つしかありません」から、本来は「自分が言うことの倍の量は、人の話を聴かなければ、自分の中に情報が記憶(蓄積)できないはず」です。これがなかなかできません。
もしも友人知人の方から相談を受けた際に、「あれっ? いつもと調子が違う。なぜか別人みたいでどこか変?」と思った際には、実は(友人本人も気づいていないかもしれませんが)メンタル症状を発症している可能性もあります。特に、いつもは明るく活発な人が、たとえ口調は冗談ぽかったとしても、「もう生きていたくない」とか「終わりにしてしまいたい」「死にたい」というように、【命に関わること】を漏らした場合には十分な配慮が必要です。既にメンタルクリニック等にかかっている場合はなおさらです。
メンタル症状が疑われる対象者(特に既にうつ症状等を発症している対象者)から、「少し話を聞いてほしい」と相談を受けた場合には、何よりも最優先で対応してあげる必要があります。そしてその時ばかりは、友達同士の普段の雑談ではなく、〝カウンセリングモード〟に切り替えて【徹底的な傾聴】の姿勢で、時間を気にせず応対してあげるという覚悟が必要です。
【命に関わる可能性がある】と感じた場合には、下記のような留意点があります。POINTは「専門家もしくはご家族につなげるまでは面倒を見るという姿勢」だと筆者は思います。
1)対象者を決して一人にしないこと(急にうつ症状がひどくなり、自傷・自殺のリスクが0ではないです)
2)ご家族に引き渡すところまで面倒を見ること
3)ご家族と連携の上で、できるだけ早く専門医の診察を受けさせること
これは、自分自身のリスク回避(後悔することの無いようにすること)にもつながります。「あの時、もう少し傍にいてあげればよかった」「あの時、一人にしなければよかった」では遅いのです。後になって「笑い話」で済む方がよほど安心だと思います。
本ブログでの記載から http://higejinji.net/2018/02/01/nojisatsu/