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「現場にとっての本社」「本社にとっての現場」職場で経験する人間関係 その2

髭人爺(ひげじんじ)です。

今日は職場で経験する人間関係その2として「現場と本社の関係性」です。

会社も同じ拠点で同じ建屋に一緒にいるときには、十分にやり取りできていた意見交換も、フロアが別れたり、建屋が別れたりするだけで、なかなか情報共有が難しくなることがあります。いくら社内ネットワークが整備され、居室を移動しなくてもPC上でやり取りできる時代になっても、やはり直接会って、同じものを見ながら話し合った時の【一体感】とはまだまだ大きな差があります。

これが『現場』『本社』という形で離れている場合には、重要案件の情報共有や決済スピードに大きなズレが生じますし、その施策の背景がきちんと伝わらないことが多いと思います。(この場合の『現場』というのは、製造現場であったり、営業現場であったり、研究開発現場であったり、お客様サービスであったりと色々です) どうも各社同様に、会社規模が大きくなればなるほど、『現場』『本社』では、考え方に乖離が生じ、お互いの都合でものを考えるようになることがどうしても出てくるようです。

『現場』本社側から降ろされる方針に対して「現場の苦労も知らないで、本社の奴らは無茶なこと言うなよ」と不満に思い、「本社側でコロコロ方針を変えるなよ」と愚痴を言い、「自分の知らない自社情報がメディアで先に報道されてから知ることがある」たびに驚き、自分たちの部門はいつか切り捨てられ、関連会社に出向せよといわれるのではないか」と疑心暗鬼になり、不安と不満の毎日を送っています。これはこれで「ストレスMAX」です。

一方『本社』側では全く逆の視点で、「現場から生きた情報がなかなか上がらない」「報告が遅いあるいは隠される」「目標未達の部門が多い」「突然品質問題・労務問題が起こり大きな損失を生む」といった不満を抱えています。

同じ社内でありながら、お互いが、損失責任は相手に押し付けてしまいたいというのが世の常らしいですね。

ただ一番の問題は、その間には数多くの真面目な社員が介在するということです。

担当部門(担当者)レベルでは、非常にストレスがかかることであり、まさにメンタルヘルス問題の元凶の一つと思っています。本来は、『現場』『本社』の部門の長同士で調整しなければいけない内容までもが、『現場』『本社』のそれぞれの担当レベルにまで降りてしまっているのが実態ではないかと思います。

筆者の場合【部門(現場)人事】と【本社人事】の両方の立場になったことがあるので、それぞれの言い分もわかりますし、できる限り《両者の情報共有のパイプ役》にならなければと心がけていたつもりです。(ただ、自分自身がそれぞれの立場だった時に、冷静に相手を思いやる発言ができていたかと言うと酷い状況であったのは間違いなく、今だに自分がとった恥ずかしい行動や言動を思い出し、反省しております)なかなかお互いの立場を理解して尊重しあうというのは現実問題としては難しいものです。やはり『現場』には『現場』の、『本社』には『本社』の苦労も頑張りもありますし、その場にいないと分からないことがあるのは間違いありません。

ではどうしたら『現場』『本社』の距離感が詰まるのでしょうか?

筆者の私見では【TOPが現場に対してどのような姿勢でいるか】と言うことに尽きると思います。

特に、TOPから物理的に遠い位置で業務をしている『現場』の方々は、非常に敏感かつシビアにTOPの姿勢を観察しています。その点を今一度認識しないと、『現場』の社員は「少ないリソースで、より効率的に実務を行い、今まで以上に売上・利益を上げることを求められること」に疲弊し、『本社』の社員は「毎年のように変更される組織体制や人事、方針を各部門に発信し徹底させること」に疲弊します。疲弊した社員は、当然ながら《健全な状態を保てなくなっていく》ことになり、それぞれの部門で、担当者が病気を発症したり、若い社員から離職したりということが、これからも続くことになると思います。

よく「情報大陸」や「カンブリア宮殿」「ガイアの夜明け」といったノンフィクション番組で取り上げられる“今チャレンジしている元気の良い会社”はみんな、社長TOP自らが『現場』の意見を大切にし、『現場』視線すなわち〝お客様視点〟でビジネスを捉えている会社ばかりですね。不思議なことにそのような会社は、社員の方々もみんなイキイキしているように見えます。

もしかしたら「職場のメンタルヘルスケアの一番有効な方法は経営TOP自らの意識改革」であるように思うのは筆者だけでしょうか?  

※ちなみにここまで書いてきて、これは企業だけでなく、政府も全く同じだなあと感じました。「国民と同じ目線で考えられる内閣」でないととんでもない国になってしまいそうですね。

経営者の皆様には、単に「業務効率化」や、今はやりの「働き方改革」や「ワークライフバランス」という点で【情報共有システム構築】の方針を打ち出すだけでなく、社員のメンタルヘルスケアの観点で【やる気の共有システム構築を方針として打ち出していただきたいところです。

そのうち距離的に離れていても、スターウォーズのジェダイの会議みたいに、バーチャルで同じ場所にいるみたいに同じ現物を見ながら、経営者と営業現場と製造現場と研究開発現場が打合せ出来る日が来ると思いますが、それまでは、直接のFace to Faceで一体感を出し、余計なストレスがかからないような体制が必要ですね。

 

 

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