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一番複雑! 上司と部下 職場で経験する人間関係 その3

髭人爺(ひげじんじ)です。

職場で経験する人間関係その3「上司と部下」です。

仕事をしていく上では一番基本的な単位になるでしょう。その関係性によって「社会人としての生活」が左右されるといっても過言ではありません。

かたや「業務指示をし、育成して、結果を出させ、評価する」側であり、一方は「担当業務をアサインされ、自分の役割をこなし、成果をだして、組織目標達成に貢献する」側になります。その役割責任をお互いが果たすためには、十分なコミュニケーションによる信頼関係構築が不可欠であり、その深さ・強度によって、組織としての成果の量や質は大きく変わってきます。

上司と部下が信頼関係を結ぶのは、お互いのキャラクターであったり、仕事の進め方であったり、人との付き合い方・接し方であったりしますが、間に『評価(およびそれに伴って決まる処遇)』ということが介在するため、単なる「人間としての相性」「人としての好き嫌い」では済まないところがでてきます。もしも信頼関係がうまく築けない場合には、お互いにストレスになりますし、下手すると“ハラスメント”にあたることが発生することになります。それは「職場で何らかの心的ストレスを感じている労働者が6割~7割いる」という政府調査の中で、上司部下の間での不信感が大きな比率をしめていることからもいえるでしょう。

筆者としても、本ブログでいろいろと記載してきたわけですが、一番言いたいのはシンプルに【お互いの立場を理解し、リスペクトしあうこと】の重要性です。

特に、マネジメントを行う上司側の責任は大きく「部下の声を聴こうとしない」「部下のメンタル発症に気づかない」「逆に部下に気を遣いすぎて甘やかしている」といったことがあると、部下側の成長もありませんし、当然成果の量も質も落ちると思います。ある日突然【退職願】を提出されて慌てることにもなりかねません。最近は特に部下の方が新しい技術に精通していることも多く、専門技術レベルの逆転現象が起こっているかと思います。「自分よりも専門性の高い、多様な社員をマネジメントすることが難しくなってきている」のは間違いないと思います。

ただこんな時代だからこそ、上司と部下の間で【お互いの立場を理解し、リスペクトしあうこと】がなければいけないと思っています。上司はもっと謙虚にならなければなりませんし、部下のポテンシャルが100%以上発揮できるような職場環境の整備に力を注がなければなりませんが、筆者はむしろ上司にはもっと『夢を語ってほしい』ですし『さらに上のポジションの方と闘ってほしい』と思っています。これこそ部下にはできない上司側の仕事だと思います。部下側はもっと素直になって、自分の同世代だけの人間関係から飛び出し、もっと上司や先輩と話す機会を増やしてほしいと思います。上司や先輩が支えてきた会社の「軸」になる思想や、お取引の中で培ってきた経験については、文章情報だけで獲得できるものではないからです。

下記に筆者が尊敬する上司の中から、3名の方をご紹介します。それぞれ具体的に「手本にしたい部分」をお持ちでした。

(1)営業所長 Aさん 

年令は10歳上。元々TOPセールスマン。190cm左利き。「社会人としての礼儀」の全てはこの人に教わりました。挨拶の仕方、電話対応、営業の仕掛け方、自分なりの工夫がいかに大事か、うまくいった時の喜び方、羽目の外し方、先輩社員への接し方、失敗した時の顧客への謝り方、始末書の意味、落ち込んだ時の打開策としての88件コール・・・特に覚えているのは「いいか! 一番良い報告というのは『会社にとって悪いこと・問題であることを一番早く報告すること』や! 良い報告は本人も報告したくてたまらないから誰でもすぐに言いよる。でも悪い報告はなかなか言いにくいやろ。それを勇気をもって早めに言えることが一番良い報告や!わかったか!」ということです。所長、未だに忘れていません! ありがとうございました。

(2)人事部長 Bさん

人事マンとして大事なことは、直接たくさんの先輩方から教わりましたが、この方からは「人事に戦略が必要」であることを教わりました。筆者はどちらかというと人事業務の中でも「やらなければいけない事」を担当することが多く、制度やルールを作ったりすることは経験していましたが、これからの人事施策の何年も先の方向性をにらんで、早くから仕掛けておくことの重要性を教えていただきました。目の前の業務に必死だった自分にとって、将来を見据えた施策のビジョンを常に持っていらっしゃって、時々自分なりの『人材開発の今後の在り方』を文書にまとめて示していただいたりして、やはり【見ている景色が違う】と感じさせられ、あこがれていました。一方で、子どものような無邪気さも持ち合わせていらっしゃって(飲み会の時とかはかなり困らされましたが)人間的な魅力もある方でした。 

(3)事業企画室長 Cさん

技術部門で上司になった方ですが、人事の専門家というわけではありませんでした。人事業務のご経験がない部門長の場合、「人事案件」は人事担当に丸投げされる方が多い中で、この方は「人事施策の在り方」をご自身でも勉強され、部下である筆者を信頼していただき、議論をする際にも謙虚な姿勢で、結構対等な立場での議論を心がけられておられました。筆者の勝手な提案内容も随分拾っていただきました。何よりも人事担当部門の長であるということで「責任は自分でとる」という姿勢を貫かれました。人事マンとして「信頼していただいている実感」を感じながらも、自由にやらせてもらえることは大変ありがたく、貴重な経験でした。

 

上記(1)(2)(3)以外にも、お世話になった上司の方々はたくさんいらっしゃいますが、共通して一番感じていたのは『部下に対する深い愛情がある』ということでした。結局これが一番大切なのかもしれません。

今まだメンタル面で苦しんでいる方がたくさんいらっしゃると思いますが、上司の皆さんは是非部下に対しての愛情を今一度確認していただければと思います。

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