髭人爺(ひげじんじ)です。
今日は日常のコミュニケーションをスムーズに行い、お互いの意思疎通を円滑かつ気持ちよくできるようにするための、効果的な対人援助方法である「バイステックの7原則」についての話です。特に人から相談を受ける時等には是非意識しておきたい原則です。
人と話をすることは非常に難しいことですが、同時に非常に基本的なことです。これがうまく行った時とうまくいかなかった時では気分も変わってきますね。ちょっとしたことなのに、お互いがお互いの主張を言い張ってしまって、喧嘩腰になってしまうこともあるかもしれません。一方でうまくコミュニケーションが取れれば、短時間で一気に心の距離が縮まることもあると思います。
アメリカの社会福祉学者であるフェリックス.P.バイステックが提唱した「7つの原則」は、基本的姿勢・心構えとして是非身につけておきたいものとしてご紹介します。
1)個別化の原則
相手を個性ある一人の人間として尊重するということです。何か相談を受けた時、他の誰でもない自分に相談してくれたという特別なことをありがたいと感じ、その人固有のこととして「一般論」ではなく、真摯に向き合ってあげるということですね。
2)意図的な感情表出の原則
相手が素の自分を出し、本音でありのままの感情を出せるように、こちらも相手の言うことを否定せず、最後まできちんと聴きながら、菊立場としても意図的に感情面にフォーカスして対応すると言うことです。
3)統制された情緒関与の原則
相手の表情や言動に対し、変な先入観をもつことなく、かつ自分自身がその感情の波に入り込みすぎて、一緒に感情的になりすぎないように、自分を見失わないようにします。
4)受容の原則
これが意外に難しいですが、相手の話を無条件にそのまま受け止めてあげることです。途中で否定したり、遮ったり、質問を返したりすると、勇気を持って相談しにきた相手の気持ちが中途半端になってしまうかもしれません。まずは本人が言い尽くしたいことを最後まで話させることが大切です。
5)非審判的態度の原則
これも上記4)5)と似ていますが、相手の話に点数をつけるわけでも、正しいか間違いかを指摘するわけでもありませんので、自分の価値観や判断基準で一方的に評価しないようにすることですね。
6)自己決定の原則
これも大変重要なことです。話を全て聞いてあげた後、自分なりの考えを伝えることになるとは思いますが、あくまでもそれはアドバイスであって、命令でも指導でもないようにしなければなりません。最終的に判断をするのは相談者自身になるようにするということです。
7)秘密保持の原則
これは当たり前のことですが「ここだけの話」がなぜか広まってしまうというのはよくあることです。自分を信頼して相談してくれているわけですから、話してくれた内容は本人の了解なしには第三者にもれないようにしなければなりません。
よくよく見ると全て当たり前のことだと思いますが、この「当たり前のことを当たり前にすること」が一番難しいというのが筆者がいつも思っていることです。
このような原則を頭において、今は「雑談モード」なのか、「ディスカッションモード」なのか、「カウンセリングモード」なのかをきちんと自覚して対応できれば良いですね。