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高齢者独特のストレスを理解しよう

髭人爺(ひげじんじ)です。

今日は、高齢者シリーズの第一弾として「高齢者には独特のストレスが発生するということを理解しよう」という話です。

昭和45年(1970)には65歳以上の人口比率は7%だったのが、平成28年(2016)では「4人に1人(25%)」が65歳以上という少子高齢化社会に本格的に突っ込んでいます。2035年には「3人に1人」が65歳以上になると予想されている日本では、本来はもう少し【高齢になってからの心理状態】について理解が進んでいないといけないと思います。が、意外に知られていない情報が多いように思います。

むしろ自分自身もしくは自分の親が高齢になってきているケースでも、きちんとした情報を知らない人が多いようです。今回、高齢者の実態をつかむために、いろいろな資料やテキストを調べてみましたので、情報共有させていただきますね。

 

1)取り巻く環境について

3世代以上が同居している家庭は少ない。核家族化が完全に定着し、「大学入学をきっかけに家を出る」「結婚をきっかけに実家を出る」というケースが主流になってきている。医学の発展とともに寿命が延び、『世界一の長寿国』になっている。昔の60歳は引退時期だったが、今の60歳はまだ働き足りないというくらいギャップがある。

近所づきあいは少ない。あいさつ程度はしたいという気持ちはあるが実際にはほとんど付き合いがない人が多い(男性64%、女性39%)子供の家族と同居していないこともあり、孤独感・孤独死を身近に感じる60歳以上の単身の方が 77%もいる。(厚生労働省調べ)高齢者の寿命が延びたこともあり、自分自身が高齢者でありながら、さらに高齢の親の介護をしているという【老老介護】ということも事実として増えてきている。介護保険制度が始まり、少しでも介護のレベルを上げようとしていますが、それを上回るペースで高齢化・老齢化がすすんできているということです。

 

2)家族・周りの人との関係性について

親の介護(老々介護)で悩む人が増えてきていて、身近な人が亡くなるケースが増えてきていると思います。高齢者は「子供のため、孫のため」と思い、世話をかけないようにと「公には同居を望まない」ということがあるようですが、本音の部分では一緒にいたい気持ちは強いはずです。また、人間というのは歳を重ねれば重ねるほど、人に頼りにされること・人の役に立つことをしていくことに生きがいを求める気持ちが強くなるものです。どうも現役時代(定年前の時代)からのプライドが邪魔をしたり、気を遣いすぎたりして素直に気持ちを言いづらくなってしまうことも多いかと思います。

 

3)身体・健康について

70歳以上の3人に1人が睡眠不足に悩んでいるそうです。身体能力の衰えも見えてきて、無理が効かなくなり、疲れもなかなか取れないし、痛みが出るのも翌日でなくて翌々日になってからというようなケースも出てきます。ちょっとした病気(たとえば肺炎とか)が重篤になりやすいですし、歯の健康が保ちにくく、入歯等も増えてくると思います。骨密度が低くなり、怪我(骨折等)をしたら治りにくいためどんどん「無理しなく」なります。(行動範囲が狭くなる)

 

4)意識について

一般の方に調査をすると「高齢者」だと思う年齢イメージは‘’70歳以上‘’だそうです。高齢者とはどのようなイメージか?と質問すると、イメージは「心身が衰え健康面での不安がある」「収入が少なく経済的な不安が大きい」「経験や知恵が豊かである」がベスト3だったとのこと。日常の不安内容について複数回答で質問すると「健康や病気のこと(身体の変化)」が58.9% 、「寝たきりや体が不自由になり介護が必要になること」が42.6%という極めて現実的な返答が返ってきています。おそらくはだんだんと近づく「自分の最期」である「死」と向き合うこと(死の受容過程)が重要になってくるのでしょう。

 

5)対応・施策

高齢化が進んでいるのは日本だけではありません。1991年に開催された国連総会で、高齢者ケアの基本原則(自立・参加・ケア・自己実現・尊厳)が採決されています。国家を超えての大きな問題になりそうです。QOL(Quality of Life:人生の質・生活の質)向上を目指す中で今後ますますノーマライゼーション》が求められる時代です。高齢者や障がい者も含め、【4つの助(自助、互助、共助、公助)】の精神で協力していくしかないと思います。

 

高齢化社会で歳を1歳ずつ取っていくというのは、やはり「重たい宿命」です。だからこそ、両親を始めとした自分よりも前の世代にも、充実した余生を送ってもらえるように接していきたいですね。

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