髭人爺(ひげじんじ)です。
今日は【ADHD(注意欠如・多動症)の障害について】の話です。
ADHD(Attention-defict hyperactivity disorder)について初めて見たのは、小学校等での授業に関するニュースの画像でした。小学校教師がメンタルで休職するという事例が多くなっているという話でした。たしかに、その番組を見ていると、授業中に席にじっとしていることができず、立ち歩いたり、窓の外にずっと視線を注いでいるかと思うと急にそのまま教室を出てしまったり、関係ないことを喋り続けたり、教師が質問しても全く反応しなかったりと、他の人と一緒に授業を受けるのは難しいような生徒が増えてきているという現象にびっくりしました。
筆者が小学生だった頃は、同じクラスにはあまりそのような生徒はいなかったように思いますが、もしかしたら学校も家族も「特別な養護クラス」に通わせるのが当たり前であるかのように考えて、あまり目に触れないように対応していたので、他の生徒の記憶にはあまり残っていないだけなのかもしれません。
この10年間くらいで、人権尊重や差別禁止という観点もあり、どんな症状の子どもでもできる限り同じ学習を受ける機会を学校側も用意するようになりました。ADHDの対象者がいるクラスには副担任の先生も配置するような体制をとったり、どうしても同席が難しい授業の時だけは別教室で特別に授業を受けるような配慮がとられるようになってきたわけです。とはいってもADHDの対象者が「生きづらい世の中」にいることには違いありません。
まずはADHD(注意欠如・多動症)とはどのような障害なのかを確認しておきたいと思います。
ADHD(注意欠如・多動症)の方は、ASDの方に見られるような対人コミュニケーションなどのスキル不足はないとのことで、逆に状況や時期によって「不注意」「衝動性」「多動性」という大きく3つのトラブルが起こりやすく、人間関係での問題が発生しやすいという特性があるようです。
1)不注意
①約束の時間が守れない。
②長時間にわたり仕事・授業等で集中できない。
③忘れ物、物をなくすことが多い。
④ほんのケアレスミスが多い。
⑤片付けができない 等
2)衝動性
①思ったことをTPOを考えずすぐに言ってしまう
②人の話に割り込んで話す
③結果を考えずに行動してしまう
④衝動買いをする
⑤気が散りやすい
⑥我慢することが苦手でイライラしてしまう
⑦些細なことで腹を立てる 等
3)多動性
①仕事中・授業中もじっとしていられず落ち着かない
②一旦喋り出すと止まらない
③仕事のプライオリティがつけられない(緊急で大事な要件も、何かに気持ちが移ると後回しにしてしまう)
④考えを一つにまとめることが苦手
上記のような状況ですので、何度も失敗を繰り返すことになり、ビジネスマナーも守れない時が出てしまうので、障害であることを認識されていない方からすれば、当然ながら【不愉快で無礼な行動】に見えてしまいますし、時にはトラブルに発展することもあると思います。
失敗のたびに先生や上司から叱責をされ続けることにより、自信喪失になり、自尊心が低くなってしまうこともあるといいます。場合によってはADHDの併行症として、逆に「非行」や「犯罪」につながってしまう可能性もあります。行き場のない不安や不満が犯罪(放火・窃盗・暴行等)や嘘(虚言等)の行動につながってしまうこともあるようです。俗に「反抗挑発症」「素行症(行動障害)」と呼ばれるものです。
ではどのように対応するのが良いのでしょうか?
特にADHDに関しては、対象者自身が大人になっても気づいていない場合もあるということが分かっています。本ブログでも紹介した通り、大人になってから自分が発達障害の中の「ADHD(注意欠如・多動症)」であることを、専門医の診断で初めて知り、今までの人生の中で「なぜなのか、理由がわからず苦しんでいたこと」の原因が発達障害にあったということに気づけて、やっと腹落ちした(スッとした)という人もいらっしゃいます。
ということからもやはりまず大切なのは【ADHD(注意欠如・多動症)という発達障害があることを知ること】ではないかと思います。
その上で自分なりに思い当たる点が多い人、あるいはご自身のご家族がそうではないかと感じた人は『専門医を受診する』ということが、今後の人生をうまく対応していくための最も近道になると思います。
最近のTVや映画では「認知症」や「若年性アルツハイマー症」「ALS」等を紹介したり、ドラマ仕立てにしてみたりということが〝流行って〟いるように思います。これを一過性の単なる興味で終わらせず、「これをきっかけにきちんとした知識を得よう」と考えてみることがスタートであるように思います。
発達障害、まだまだ知るべき内容がたくさんありそうです。