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「優秀な奴ほど鬱になるなんて嘘だ」といった経営者

髭人爺(ひげじんじ)です。

今日は実際に会社で起こったことを書いてみましょう。どこの会社でもありがちなことだと思います。

会社の会議では、企業によっていろんなケースがあります。

本来会議というのは『事業の方向性を決める場』であり『みんなの知恵を共有して新しい価値を創り出す場』であり『課題解決をする場』であると私は思いますが、色んな会社での様子を聞くと「経営者が一方的に命令口調で話しをするだけの会議」であったり、「(資料を回せば良い)同じ話を繰り返す、形式だけの場」であったり、「会議時間を守らず、着地点や目標値を決めずにダラダラと続けるだけの場」になったりすることが多いようです。

私が経験したのはそんな中で「職場を統括する責任と役割を持った人に共通で認識いただかないといけない【メンタルヘルスケアの重要性】」を説明したときのことです。

本ブログでも何度も取り上げてきましたが、職場のメンタルヘルスケアの肝は〝上司によるケア(いわゆる「ラインケア」)により、早期発見・早期治療につなげること〟であることは言うまでもありません。

私が「今の世の中では、いかに上司が部下の様子を日常から把握し《いつもとちょっと違う》 ということに気付けるかが大事です。」と言う話をし、責任感が強く、真面目で成果も上げることができる優秀な社員ほど、周りが気付きにくいので自分でストレスを抱え込み、鬱になりやすいという話をしました。

説明を終えた途端、ある役員が一言

「優秀な人間ほど鬱になりやすいなんてことはありえない。本当に優秀な人間というのは、自己管理(コントロール)出来る人間のことをいうのであって、そんな人は鬱になるわけがない。こんなことをまともに受け止めていたら経営がおかしくなる」

と言い放ちました。

実は、私としてはそのような発言が出ることは十分に予想していました。

特に、その発言者は最新の「メンタルヘルスケア」について全く無知で、古い体質の人であることは認識していましたし、むしろ意識のギャップをどのように周りの皆さんに伝えたら良いのかと考えていたところだったので、思いの外、冷静にその発言を聞いていました。言ってみれば『あーあ、それを言っちゃあおしまいでしょ。自ら、俺は無神経だって口に出しちゃったよ』という印象でした。

ご本人としては【経営側としては正論】と思って口に出したのだろうと思いますが、むしろその発言をしてしまったことで、その人自身がいかに時代錯誤であるか、今の時代を読み取れていないのか、その人自身が無神経で思いやりが欠ける人物なのかということが、余計に顕在化してしまった感じがしました。

事実、メンタルヘルスケアについて日頃から悩んでいるマネージャーの方々数名からは、私からの説明に賛同する旨のコメントをいただきました。

メンタルヘルスケアというのは、やはり「通じる人にはダイレクトに響くが、気づかない人は恐らくほとんど気づかないまま、他人を傷つけ続ける人生を送るんだろうな」と思います。

願わくば、その発言をした対象者も、いつか気づいてくれれば良いなあと思いますが、余程のことがないと「病気する奴は、心の弱い奴だ」という考えから抜けられないだろうと思います。

自分の狭い心から抜け出せない人って、なんか哀れだなあと思いました。ちなみに後日談ですが、この発言者の役員は就任3カ月で退任という新記録を作りました。やっぱりな!

 

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