髭人爺(ひげじんじ)です。
今日は【発達障害の❝障害❞って表現はほんとかよ?】という話です。
発達障害については本ブログでも何度か記載させていただいています。
・発達障害カミングアウトについてhttp://higejinji.net/2018/12/06/hattatsu/
・発達障害のタイプ http://higejinji.net/2019/01/16/hattatsutype/
今回の話は「発達障害と診断された方が、適応できる業務に出会って、ハマった時には、他の人の3倍役に立つ」ということを感じた実例です。
多くの企業では利益を生み出す業務(ライン業務:研究開発・設計・営業・製造等)とその人たちが仕事をしやすいように環境を整える業務(管理業務:法務・財務・経理・人事・総務等)に大きく分けることができると思います。
その中でも私が苦手にしているのは「決まった基準通りに根気よく業務を回す」ということです。
例を挙げるといろんな❝規格認証❞のしくみですね。メーカーで良くあるのは、品質管理(ISO9000シリーズ)や環境管理(ISO14000シリーズ)といった認証を取得されていることが多いと思います。これは基本的な考え方が基準書(マニュアル)になっており、方針に従って、適正な組織で、適正なルールに基づいてPDCAのサイクルを回し、その記録を残して、次のレベル達成に向けた活動をしている証となるものです。
ただしこの認証は非常に「あまり前のこと」でありながら同時に「きちんとしくみが回っていること」を示す必要があり、どの企業も多大な工数をかけて、記録の維持メンテを実施しているはずです。
私が一昨年まで在籍していた会社でも、各本部・各事業部・各部門ごとに推進担当者を置き、定期的な内部監査と外部審査に対応していました。覚えているだけでもかなりの人数をかけていましたし、内部審査対応や外部審査対応には、各拠点ごとに複数日数をかけて準備・対応をしておりました。本来はPDCAサイクルを回すことも、記録に残すことも「当たり前のこと」ですので、そんなに負担にはならないはずですが、どうしても日常業務に追われて、当たり前のことができていないことが多く、いつも気が重かったことを思い出します。
実はこの「決まった基準をきちんと遵守し、仕組みを回し、記録を残して、更なるレベルに改善するPDCAサイクルを回す」という業務は、❝発達障害❞と診断された方の特性に非常にマッチするということが、学術的にも言われています。
確かに、突発的な対応は苦手でも、基準・ルール通りにキチンと仕組みを回していくという仕事は、発達障害の方には向いているかもしれません。実際に、発達障害を持っていない人が何時間をかけて理解し、資料を用意するのに対し、ひとりで三人分くらいの業務量をこなしている発達障害の方を知っています。
本ブログでも既に書いた通り、現在の社会でなかなか適応する機会や場所が少ないために、発達障害と呼ばれてはいますが、実は《障害》という表現は適切ではなく、むしろ「個性の一つ」であり「秀でた才能」といった方が良いかもしれません。
【第三者的な冷静で正確な目】というのは、品質管理や検査等といった業務にはピッタリであり、働く場所の提供という観点でも、積極的に活用を考えた方が良いかもしれません。可能性はどんどん広がりますね。発達障害を持った人は、周りの人の反応に敏感ですから、良い人間関係の職場に入れることが出来れば、大きな力を発揮しそうな可能性に溢れている気がします。言葉の勝手なイメージにとらわれすぎているかもしれないと思っています。