髭人爺(ひげじんじ)です。
今日は【パニック症状ってどんな感じなの?】ということを書いてみようと思います。あくまでも筆者のケースですし、個人差がありますので、当てはまらない場合もありますのでご了承ください。
パニック症状の特徴の第一は『今までは全くなんともなかったのに突然起こった』ということです。
筆者が初めて発作を感じたのは、東京メトロ銀座線のラッシュ時の満員電車の中でしたが、その時のことは本ブログでも既に記載しています。http://higejinji.net/2018/01/24/panic/
パニック症状という診断を受けてから、思い返してみたら、確かに「担当していた仕事が忙しく体に負担がかかっていたかもしれない」とか「同僚社員との人間関係があまり上手くいっていなくて不満に思っていた」とかいう状況を思い出せますが、発作が最初に起こった時には全く原因がわかりませんでした。
つまり言葉を変えれば、誰にでも起こりうるものでありながら予想は難しいということです。
特徴の第二は『症状は今まで経験したことのない〝変な〟感じ』で『自分ではどうしようもなく、コントロールできるものではない』ということです。
まず筆者の場合は、まず
①急に片耳が塞がれたようになり、動悸が激しくなりました。その後
②胸焼けがして気持ち悪くなり、
③身体の後ろ半分が全部痺れるようになり、自分の身体ではないような感覚になりました。その後
④冷や汗なのか脂汗なのかわかりませんが、全身から溢れ、その場に立っていることが難しくなりました。そこから後はあまりはっきりは覚えていませんが、人をかき分けてやっと思いで電車から降りてホームのベンチまで何とかたどり着いたのだけは確かです。
⑤そのままおかしくなって大声をあげてしまうのではないかとも思いましたし、倒れてしまうのではないかとも思いました。(人によっては「そのまま死んでしまうのではないか」という気持ちになった人もたくさんいらっしゃるようです。)
パニック症状では死なないとは言われますが、そのような知識がないと「自分はどうしたんだろう?どうなってしまうんだろう?」という闇に落ちていくような気持ちになると思います。映画の「マトリクス」で主人公ネオが、覚醒する際に鏡の中に徐々に取り込まれて行く時や、「スパイダーマン」が悪の誘惑でじわじわとブラックスパイダーマンになっていってしまう途中の段階といえば、想像力のある方には通じるでしょうか?とにかく自分自身ではどうしようもないが後ろに引っ張られて落ちて行く感じです。
特徴の第三は『一度起こると、その後落ち着いたとしても、また同じことが起こってしまうのではないかと不安な気持ちが起こり、場合によってはまた発作が起きる』ということです。
一度発作を経験すると、特に意識していないつもりでも、同様のシチュエーションの場所を余計に意識してしまい、途端に不安な気持ちになってしまうことが何度もありました。頭では覚えていなくても、心と身体は覚えているという感覚でしょうか。しかもきちんと医師の処方を受け、自分なりに訓練をして、気をつけて過ごし、ずいぶん良くなったなあと思えるようになったとしても、何かのキッカケであっという間にフラッシュバックするように思い出し、発作が起こることがあります。
筆者の場合は、処方を受けてぐっすり眠れるようになり、気持ちも落ち着いてきた頃に、先輩と二人で飛行機で出張することになり、当日朝もちゃんと薬も飲んで飛行機に乗り込みましたが、機内に入っていざドアが締められる直前になって、急に不安な気持ちになり、息苦しくなり、思わず大声で叫びたくなってしまうという状況になりました。結局CAさんを呼び、先輩に「すみません!降ります!すみません!」と叫びながら出張でつかう資料を託し、バタバタと機体から出て、そのまま搭乗口ロビーにたどり着き、20分ほど横になっていました。先輩に迷惑をかけたこともショックでしたが、もう随分良くなっていたと思っていた自分の身体が、全くいうことを聞かなかったことのショックは大きく、症状の再発に恐ろしい気持ちになったことを覚えています。
電車や新幹線なら故障しても止まるだけでしょうし、いざと慣れば電車の外に出ることも可能ですが、飛行機という閉ざされた空間は逃げ場もなく、多くのパニック症状(閉所恐怖症、広場恐怖症と呼ばれるもの)を経験したことのある人は苦手にしているということはよく聞きます。
実は既にその発作からは10年以上経っていますが、筆者は未だに飛行機には乗れていません。
このように人知れず苦しんでいる人はいらっしゃると思います。パニック障害にはいろんなケースがあると思いますが、病気についての正確な知識が少しでも広がれば、対象者の方々の気持ちも察する事ができるようになり、気遣いができるのではないかと思い、筆者の経験を記載してみました。