髭人爺(ひげじんじ)です。
今日はメンタル面で大変な時には【周りの誰かがKEYマン!】という話です。
メンタルヘルス面で【対象者本人にとって】問題になる点は下記の通りいくつかあります。
1)心の病気に対する知識不足・理解ができていないこと
・心の病気について「心の弱い人がなるもの」「全て遺伝性があるもの」「少し疲れているだけ」といった誤解があること。
・肉体的なものと精神的なものは別と思っている人が多いこと。
2)自分では気がつかないケースが多いこと
・上記1)も原因の一つだが「心の病気ではないか」とは、自分ではなかなか思わないこと。
・自分の体調がおかしいと感じても、どうしたら良いか自分ではわからないこと。
・自分はならないもの、自分には関係ないものという思い込みがある。
3)メンタルクリニック(精神科、心療内科)の診察への抵抗感(特に日本)
・「メンタルケアが必要な人=競争に負けた人/ついていけなかった人」という目で見られがち。
・海外ではセレブほど《自分専門のセラピスト》と契約しているといったようなステイタスのシンボル的なところがあるが、特に日本では『恥』の文化があり、〝不安な気持ちを許さない雰囲気〟がある。
・初診にかかるまでに1ヶ月以上かかる人が50%以上いると言われている。
4)処方を守らない人・勝手にやめる人
・ウツ症状を発症した人の中には、薬への依存性を気にしすぎて、少し調子が戻ったら自分の判断で薬を飲むのをやめてしまう人がいる。処方の効果が出るまでには2週間以上はかかると言われているが、まだ主治医からOKも出ていないうちから、「もう良くなった」と思い込み、自分の判断でやめてしまうケースが多い。(早く治りたい焦りの気持ちが強く、薬を飲んでいるうちは治っていないと思い込みがち)
5)一度メンタルを経験した人の再発率
・発症の原因にはひとそれぞれ色々とあるが、以前と全く同じように過ごしていると、また同様の原因で再発することがある。(病気への理解度を深め、自分自身の考え方やスタンスを少し変えないと、耐性が落ちてしまうことがある)
上記の通り、いろいろと【対象者本人の問題】はたくさんあげられますが、もしも周りにいらっしゃる方が、上記1)〜5)のうちひとつでもなんらかの支援ができるのであれば、随分楽になることがわかると思います。
実際にメンタルヘルス上で一番厄介な状況は
①本人に病識がない
②専門医にかかるまで時間がかかってしまい、初診時点で既にかなり悪化してしまっている。
③周りに誰もいない(もしくは周りの人が病気についての知識がなく誤解がある。)といったケースです。
筆者の経験では、これにさらに「30歳代〜40歳代前半」「独身」「一人暮らし」「几帳面」といった人が以前は多かった記憶があります。最近は「過保護に育てられていて権利だけは主張する」「他人(特に自分の同期)との差を異常に気にする」といった要素も加わってきている気がします。
【いかに周りの人の〝心の病気に対する理解〟と〝対象者の様子の変化への気づき〟と〝本人が安心して治療に専念できるような環境・雰囲気づくり〟が重要か】ということが今一番社会に求められていることであると思います。