髭人爺(ひげじんじ)です。
先日役者の三浦春馬さんが自ら命を絶たれました。その前にはテラスハウスに出演していた女子プロレスラーの木村花さんが、匿名の誹謗中傷に耐えきれず、死を選択しました。今回は【若い芸能人が自殺をしてしまう世界とは】という話です。
本ブログでも「自殺」については何度も取り上げ、自殺行動の裏に隠れた〝鬱〟の発症や、自殺衝動を起こす前のサイン、ほんの10分間時間を伸ばせれば自殺行為を思いとどまる可能性があること等について記載してきましたし、本人がいなくなることでの影響や残された人たちの苦しさを考えると、何としてでも「誰も自殺しないで済む世の中にならないか」ということを、今一度考えたいと思っています。
三浦春馬さんの場合は、色々と憶測記事は書かれているものの、何が彼を追い詰めたのかわからないようですが、恐らくは(本ブログでも記載したことがありましたが)ご本人が『どんな事に対しても真剣に正対して取り組むという非常に生真面目な姿勢』があったこと、『人のことを気遣える心を持ち合わせていて、余計な心配をかけたくないと考えたからこそ、自分で解決しようと考える優しさ』をもっていたことは間違いないと思います。
木村花さんの場合も事実関係はわかりませんが、映像に残されたものは恐らくはご本人が思っていたものとは異なり、『不本意な演出がきっかけで勝手なイメージだけが独り歩きしてしまった』のではないかということが言えると思います。ただ、木村さんの場合は三浦春馬さんとは異なり、「死を選択する」という行動の引き金になったのは、明らかに〝見知らぬ他人によるもの〟であることは間違い無いようです。
それ以外にも日本だけでなく、韓国や米国でも若いタレント・ミュージシャンが死を選択したというニュースはどんな時代も発生し、その度に重い気持ちになります。
「自殺」という方法を選択した本当の理由は誰にもわかりませんが、最終的にその行為に及ぶ瞬間には『今の苦しみがこのまま続くのは耐えられそうにない』というただ一つのことが、背中を押してしまったのだろうと思います。
もちろん芸能人だから特別ということではなく、世界中の若い学生・若い社会人が陰湿ないじめ等に苦しんで、自殺という方法を選択し、苦しみからの解放を図ることは多いと思います。
今回敢えて芸能人としたのは、おそらくは
➀『全く面識もない、知り合いでもない、メディア記事や画像を見ただけの人』が、
②『ほんの軽い気持ち(いわゆる〝ノリ〟)』で
③『他人が書いた記事やデマを元に、さも社会全体の意見であるかのように』しかも
④『自分自身が抱えた鬱憤(対象の芸能人とは全く関係ない)をぶつけるためだけ』に、
➄『なんの抵抗もなく(正義感ぶって)SNSに書き込んだ』
ということがトリガーになったという点です。そういうことを簡単に実現できるようなSNS環境があらゆる国のあらゆる世代で広がってしまったことも大きな原因ではあると思います。
直接知っている同級生や同じ職場の上司や同僚からのイジメやハラスメントであれば、相手が分かっているだけに、環境を変えたり、それが無理なら(勇気を持って)逃げたり、あるいは(勇気を振り絞って)立ち向かったり、訴えたりするという選択肢も少しはでてくる可能性もあると思いますが、芸能人のように不特定多数の視聴者を相手にしている場合は、防ぎようがないと思います。
今はタレント側も「書き込んだ相手を特定して訴訟に持ち込む」ケースも出てきていますし、菅田将暉さん主演で話題をよんだ日本テレビ「3年A組−いまから皆さんは、人質です−」のドラマでも『自分に危害が及ばないことを盾に無神経に情報に踊らされ、ほんの軽い気持ちで、人の人格を否定する行為を正当化してしまう不特定多数の人間』について問題提起がされていましたね。
芸能人なんだからとか公人なのだからということだけで、「有名税だよ!」と言い切って、勝手なことを書き込んでしまう人には、『世の中で最も卑劣な行為の一つ』であるということを理解させる必要があると思いますし、おそらく一番問題なのは、そのような行為を無神経にしてしまうほど、本人自体が何か鬱積したものを溜め込んでしまい、麻痺してしまっている環境・社会に問題があるということを、一人一人が認識する必要がありそうです。
どうやったら、自ら死を選ぶ人が減り、少しずつみんながお互いを許容しながら、お互いを許し合いながら、自由に笑える環境になるのか、身近なところから始めてみるべきと思いました。