髭人爺(ひげじんじ)です。
久しぶりの投稿はやはり【メンタルを理解できない人は一生理解できない(だろう)】という話です。
このところ理解できないような「無差別殺人事件」等、全く見知らぬ人や関係のない無抵抗な子供たちを巻き込んでしまう悲惨な事件が相次いでいます。それに対して「人を巻き込むな!」「死にたければ一人で死ね!」といった論争もまき起こり、毎日のようにTVニュースやネットで取り上げられています。
もちろん事件を起こす人の心の中は覗けませんし、自分の中に鬱積したものを全く無関係な人に向けてしまうという考え方やその異常性には当然ながら筆者も全く理解できません。もちろん自分自身はそんなことは絶対に起こさない(つもり)ですし、幼い子供たちまでに被害が及んでいることについてはやり場のない怒りを感じています。
ただ、筆者はそんな時に気になることが2つあります。
ひとつは【そんな人は異常者であり、自分には関係ないと思う人がいること】です。
しかもその上で、単なる憶測や聞きかじっただけの情報で、
「引きこもりをしている人が危ない」
「ご両親が離婚とか早くから親と死別したといった家庭環境が複雑だったのでは?」
「学校でずっといじめにあっていたことで現代社会を憎むようになったんだろう」
といったことを平気で決めつけて発言する❝若者心理評論家❞❝反応だけが上手いコメンテーター❞が多く存在します。自分は『こちらサイド(安全で正しい世界)』にいるし、自分の発言は過半数以上の人が思っている『正論』であるという態度で、あたかも全てわかったかのように発言する人がいますが、そのことに非常に驚くのです。
人間だれしも心の中には「良い部分・正しい部分」ももちろんあるでしょうが、「悪い部分・間違っている部分」も少なからずあるはずです。実際筆者にも自分で自覚している《善》と《悪》の部分が確実にあります。ただ日常はそのバランスを❝理性❞❝愛情❞❝信念❞といったものがコントロールし、「良い部分・正しい部分」を基盤とした行動・言動を行なおうと意識することができているだけだと思います。これは自分が生まれてから接してくれた親、家族、先生、友人等のおかげで身についたことだと思います。中には、現時点でまだ気づいていないところがあるかもしれませんが、むしろ人間は不完全な生き物ですから、【行いは全て正しい】もしくは【存在自体が悪】といった人はいないのではないかと思っているわけです。
そんな自分を横に置いて【異常者はあちらサイドの人であり、俺とは違うサイドに行ってしまっている】というスタンスでの論議は非常にリスクがあると思うのです。本当に事件を起こした犯人が考えているようなことは自分自身には発生しないのか?自分の行動を何が守ってくれているのか?自分の身の回りにはリスクはないのか? そんなことを議論することこそが、悲惨な事件を防ぐことにつながると思っているのです。
気になることの2つめは【加害者を生んだ加害者もどこかにいるはずだが、要因は一つではないはず】ということです。
マスコミは、すぐに
「甘やかした親のせい」
「事件発生を抑えられなかった家族のせい」
「加害者の心が曲がるきっかけになった学校時代からのいじめのせい」
といった❝結論(自分が持っていきたい方向)❞に簡単に結びつけてしまいがちであり、すぐに過去にさかのぼって昔の同級生を探し当ててインタヴューしたり、ご両親だけでなく祖父母のところまで「真実追及!」と称して押しかけて、謝罪のコメントを取ろうとしたりしています。もちろん親の責任を否定するつもりは全くありません。何らかの悪影響を与えたり、親としての曲がった愛情が原因の一つになって、事件の犯人を育て上げてしまったりということはあると思います。
筆者としては常に思うのは《常軌を逸した行動をとってしまう人》が発生してしまう原因は、そんな単発的なものだけではなく、本人が持っている独自の個体としての特徴、その年代特有の時代背景、地域性、教育現場での対応(先生の発言・同級生とのかかわりあい方)、家の経済状況、親からの愛情、躾といったありとあらゆる複雑な要素が絡まっているのであって、今のマスコミ記事のように「過去、精神科を受診していた」とか「引きこもり状態だった」ということだけで犯人像を作ってしまうことは、むしろ恐ろしいことだと思います。加害者を作った社会を構成しているのは、自分自身も含んだ世界であることを忘れてはいけないと思うのです。
そういう意味で、人の心のバランスを正しい状態にできるだけ保つ『メンタルヘルスケア』に興味がない人、あるいはその重要性に気づいていない人は、❝一番加害者に近い人❞と言えるのではないかと思います。そんな人は学校でも会社でも、人の上には立つべきではないと考えています。みなさんの身の回りにそんな❝一番加害者に近い人❞はいないでしょうか? まずはそこからスタートであると思っています。
